第136話デンジャーステーキその3

 秀美は肉を一口だけまず口に入れてみる。かなり柔らかい。その柔らかさは、徹也が言う通りだった。

「凄い柔らかいお肉……とってもおいしい!」

 秀美が感動の声を上げると、徹也は得意げな表情で、

「な! 来てみた甲斐があっただろう? ここの店はそれこそこれぐらいの値段で、これだけの味の肉が楽しめるんだよね!」

 徹也がそう言って、徹也も運ばれてきた一ポンドをむさぼるように食べる。

 そうこうしているうちに二人は食べ終わった。会計は二人分を徹也が出す。

「なんか今日もてっちゃんに奢ってもらってばっかりで、なんか本当にごめんなさい」

 そう秀美が言葉を漏らしたので、すかさず徹也は、

「別に気にしなくても大丈夫だよ。俺がお前さんを散々振り回しているだけなのだからさ……」

 徹也はそう言って、秀美を気遣った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る