第129話瞳の故郷遠野へその7

 瞳が明日の朝食について、

「朝食は、宿泊のお客様と同じように、一階の食事を取るためのスペースで、宿泊のお客様と同じものを食べるのでも、それでも良いかな?」

 これもまた三人は快く承諾した。

 次の日の朝になった。例によって雪絵は中途覚醒して、夜中の一時頃から、ずっと起きていたらしい。

 朝食を食べ終わると、瞳が、

「ユッキーの東京に帰った後の寝る時間のことも考えて、日付が変わる前に東京に帰りたいから、午後の三時までには遠野駅に着きたいから、今日はとりあえず『カッパ淵』と『遠野ふるさと村』だけ、とりあえず行くことにしようと思うのだけれど、皆はどう? 何か他に行ってみたい場所とかの希望はある? ここ行ってみたい……とかさ」

 瞳がそう三人に聞いてみても、当然ながら三人から異論は出なかった。

 遠野駅の真ん前にある観光案内所にて、自転車を四台借りて、まずは『カッパ淵』を目指すことにする。遠野の体感温度は、午前八時を過ぎたばかりだというのに、強烈な日差しが降り注いでいる。さて実際に出発する前に、

「ところで三人は『池』と『沼』の違いって知っているのかしら?」

 と、唐突に瞳がそう聞いた。

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