第127話瞳の故郷遠野へその5
また電車は時折『フォーン』という音を出す。警笛の音なのだろうが、実は釜石線は基本単線である。園里はその音が耳障りに感じたらしく、
「一体何なのよ。この時折出す『フォーン』って音は? 汽笛を鳴らさなくても良いような場所でも『フォーン』って鳴らしているじゃない!」
また、別のある川の通過に差し掛かったときに、園里が、
「どうしてガードが、片側しかないのよ! 電車が走行中に地震でも起きて、電車が仮に川にでも落下したら、いったいどうしてくれるのよ!」
園里がその危険性について言及して、続けて、
「たしかこの路線って、期間限定でSLを走らせているのでしょ? こんなのでSLの安全運転なんて、本当に出来るのかしら?」
そんなやり取りを繰り返しているうちに、電車は何事もなく、無事に遠野駅へと到着した。
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