第104話鹿島神宮へ初詣その6

 今日子からそれを聞いた徹也は、

「本当だよな。そこのところは本当にここの神様には、感謝しているよ。もし仮にここで悪い運勢でも出てしまっていたら、雪絵の奴もしかしたら酷く落ち込んだりして、もうこの場で負け戦が決まってしまっていたかも、もしかしたら、ありえた話だったっかもしれなかったものな……」

 他の五人の願いごとの欄は、五人ともに『安心していれば叶う』だった。

 それを見た徹也がボソッと、

「安心して……か。願いごとって基本的には、その人が安心して待っていられるものだとは、そうはとても思えないけどな……」

 他の五人には聞こえないような声の音量で、徹也はそうつぶやいた。

 参拝の列はいったん落ち着きを取り戻したようで、六人は思い思いに出店の食料を食べる。ただ雪絵以外は……ではあったが。

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