第64話今日子のはじめての家庭教師その6

 今日子は最後に知美に、

「お互いの試験期間中以外は日曜日に、最初にお会いしました校舎の前で待ち合わせをしまして、ここのカフェで一緒に勉強しましょう!」

 と、今日子は知美に言った。それに対して知美は、

「突然のお願いでしたのに、こんなに長い時間教えて頂きまして、どうもありがとうございます。また来週、よろしくお願いいたします!」

 と、やけに礼儀正しくお礼を言った。

 次の日の月曜日に、今日子は大学の授業がすべて終わった後で、お茶の水の三省堂書店にて、かつて自身も使っていた『物理のエッセンス』と『名問の森』を、それぞれ買って、自宅で読んでみた。以外にも『物理のエッセンス』の方はかなり解き方などを覚えていることがわかった。

(解くための解法や道具は、まだ自分の中に残っている。あとはいかに理科大で出題されるレベルであろう『名問の森』に収録されているレベルの問題までつなげるか……)

 今日子は自身のモヤモヤが、スーッと消えていくのを感じた。

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