お隣は狐のお嫁様。

相田秀介

第0話 夕御飯

「ねえねえ、なんでねおとうさんはおかあさんといっしょになったの?」

「うーん、そうだなあ、なんとなくかな」

「なんとなく? すきだからじゃないの?」

「もちろん、お母さんは好きだ。でもただ好きってわけじゃなかった」

「そーなの」

「小さいかえでにはまだ早いかな」

「かえで、よくわかんない」

「ほら、道隆みちたかくん、楓、夕ご飯の時間ですよ。今日は皆が好きな卵焼きの乗ったハンバーグだぞ。早くいらっしゃい」

「さあて、お母さんのご飯食べに行こうか」

「おかあさんのごはん、かえでだーいすき。いっぱいたべりゅー」

「そうね、いっぱい食べて強くなるのよ。そのうちお父さんより強くなったりして」

「もしそうなったら……やっぱり明日羅あすらの子供だな」

「わー、たまごとろとろー。いただきまーす。はふっ、うえあー」

「急がないで、まだ熱いから。もうせっかちなんだから。道隆くんみたい」

「あちゅいよー、もう! たまごのばかー」

「うふふっ、楓ったら」

「楓、ゆっくり食べような」

「うう」

「それじゃあ」「いただきまぁーす」

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