第2話 緊急事態
その後、克典は春樹から4月の予定を聞きだし、顔合わせの日を作った。
顔合わせの前日、何かの不良グループに囲まれてる一人の女子を見つけた。
人気の無い路地に連れていかれそうになっていた。このまま見過ごすわけにも行かない。
「……もしもし、なんか一人の女子が不良グループに囲まれていて、身体を触られたりしてて、路地に連れていかれそうになってるんです。」
「………………お願いします。」
警察に通報をした数分後、近所の交番の警察官がパトカーできた。
「見てください。あの集団です。」
「うわぁ10人か。応援呼ぼう。分かりました。行ってみます。行くよ森井!」
「はい!」
お巡りさん二人は、集団の元へ走って行った。
その瞬間、何かがキラッと光った。集団の中の一人が背中で刃物を持ってることに気が付いた。
すると、応援のパトカーが数台きて、刃物を持ってる可能性があることを伝えた。俺も近づいてみる。
ん?まって乙葉かあの人?
「乙葉?」
囲まれてるのはなんと乙葉だった。警察官とは反対側に近づく。すると、刃物を持った男が隣の男にこっそり手渡す。まさか乙葉を狙ってるのか?
まだ不良たちは警察官に気付いてない。
ん!?刃先が乙葉の方に向いた。
いてもたっても居られなかった俺は、絶対安全な方向から不良達に蹴りを入れる。実は俺、昔柔道を少しやっていた。
息を潜めて、気付かれないように近づく
近づくと、一気に力をいれて腰を蹴る。すると、将棋倒しに倒れていく。
「11時32分、銃刀法違反で逮捕!」
複数の警察官が寄ってきて手錠を掛ける。まだ少し暴れているから、その場に踞ってる乙葉を抱いて不良から遠ざける。
「乙葉、大丈夫?怪我は…無いな。」
「えっ、春樹君……?」
近くのベンチに座らせる。
怖かったのだろう。まだ震えている。
しばらくたつと、急に泣き出した。
「う~ごわがったよー!」
泣きじゃくって、俺の方に抱きついてくる。
「うん怖かったな、泣かない泣かない。」
あやしてる内に、俺に抱きついたまま、乙葉は眠ってしまった。
「ご協力、本当にありがとうございました!」
一人の警察官がこっちに寄ってきて、深くお辞儀する。
「いえいえそんな。」
「そういやこの方とはお知り合いですか?」
「まあ、中学校の時からの仲で。」
辺りは騒然となった。
その後、色んなテレビや新聞記者のインタビューを受けて、帰ったのは13時を回っていた。
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