300

ともかず

時計の針が三百進むまでに

ぼくは何ができるだろう。


きみの髪をひとつ撫でて、

きみのおでこにキスを落として、

きみの耳を指でなぞって、

きみの口元に噛みついて。


きみがいたずらにくすりと笑う。


ぼくはそれが愛おしくて、

時間を忘れてしまいそうになる。


時計の針が三百進むまでに

ぼくは何ができただろう。


きみの髪をひとつ撫でて、

きみのおでこにキスを落として、

きみの耳を指でなぞって、

きみの口元に噛みついて。


きみがいたずらにくすりと笑う。


ぼくはそれが愛おしくて、

時間を忘れてしまったんだ。


艶めかしくて、

可愛らしくて。


しっとりとした激しい赤に

ぼくのあたまはくらくらしてしまう。


ああ、時計の針はなんてせっかちなんだ。


時計の針が三百進んでも

きみのその赤が忘れられない。


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