B級能力者相談所スピンオフ① 桃ちゃんのお誕生日

あきらさん

第1話

 今日は午前中で相談所の仕事が終わり、午後からは一緒に働いている黒川 桃子さんのお誕生日会の準備をする為に、京子先生と一緒に買い物に行く予定になっている。

「柳町君。出掛ける準備は出来てる?」

「はい、大丈夫です」

 久しぶりのお出掛けという事で、僕は少しだけお洒落をしていた。

「私も準備出来たわ。さぁ行きましょうか!」

「京子先生!! その格好、寿司屋の大将みたいな服ですけど、一体どこに行く気なんですか!?」

「ラスベガスよ」

「今からラスベガスですか!? 夕方にはここでお誕生日会ですけど!! ラスベガス行くにしても、その格好は意味が分からないですし、何を買いに行くつもりなんですか!?」

「ただの冗談よ。そんなに本気でつっこまないで」

「き……京子先生が変な事言うからでしょ! 早く着替えて行きましょうよ!」

 相変わらず京子先生のボケは、本気過ぎてついていけない……

「さぁ着替え終わった事だし、行きましょうか!」

「だから京子先生!! そんなスーパーマンみたいな格好して何処に行くんですか!?」

「市民プールよ」

「何で市民プールに行くんですか!? 飛びに行くのか、泳ぎに行くのかハッキリしてください!! っていうか、買い物に行くんで普通の格好で大丈夫です!!」

「あら、普段の格好で良かったの?それを最初から言ってよ柳町君。じゃ、ちょっと待ってて」

 もう……こんなコントみたいな事をやっていたら、いつまで経っても買い物に行けない……

「ごめん! お待たせ! じゃ、改めて着替え終わったから行きましょうか!」

「って、京子先生全裸~!! 普段、家では全裸かも知れないけど、その格好で出て行ったら捕まります!! 何でも良いから服着てください!!」

 まったく、どういう心臓をしているんだ京子先生は! 女芸人でもそこまでやらないぞ!!

「これで、桃ちゃんへのプレゼントはOKね」

「な……何の事ですか?」

「ほら、あそこを見てみなさいよ」

 京子先生は、事務所の入り口近くにある等身大のタイガーマスクの銅像を指差した。

「あそこに隠しカメラを仕掛けてあるの。今までの私達のやりとりを、一部始終録画してあるわ」

「その動画がプレゼントっていうオチ~!?」

 この後、黒川さんのお誕生日を祝う為にサプライズドッキリも仕掛けたが、実は誕生日が1ヶ月先だったという事に、終わった後に気付くのだった……

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B級能力者相談所スピンオフ① 桃ちゃんのお誕生日 あきらさん @akiraojichan

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