第22話 実戦訓練
「私が掛けた補助魔法は5分で効果が切れるから下がって」
この言葉で俺のスパルタ実践訓練が始まった
まずは、やる気を出すために魔剣の熱が出てる部分に手で触る
「トウヤ!?」
手を冷やすために魔法で氷を出す青髪のメージュ
氷を少し触り、冷えたと思ったら手を放す
ここまでしてやっと覚悟が決まった
「ありがとうメージュ。ヤバそうだったら援護頼むぞ」
「うん、まかせて!」
後ろから走って右前足に剣を振るう
赤髪のペイナに気を取られても後ろに居た俺たちに警戒は解いてなかったようで、
避けたあと
「熱く、燃える炎、玉となり、敵を撃て、
昨日覚えた攻撃魔法は正しく発動し海龍の右前足に当たるが効いてない
海龍は鬱陶しそうに俺に尻尾を突き刺してきたが、
軌道は読めたので避けたあと尻尾を斬り落とす
「ギャアアアアアアアァァァァァァ!?!?」
尻尾を斬られ暴れたことで赤髪のペイナに使ってた魔法が止まった
チャンスとばかりに二人からの魔法攻撃が開始される
青髪のメージュは手足と頭の甲羅から出てる部分を大きな氷柱で
赤髪のペイナは甲羅の真上から中に衝撃を与えるように大きな岩を叩きつけていた
「ギャアアーーー!!」
怯んでる隙に首を斬ろうとしたが頭突きされるだけで近づけなかった
雑な攻撃は予想できるが必死になる攻撃はそうもいかない
「経験が足りない」
人間以外と戦った経験がないため殆ど攻撃を予測できない
頭突きを貰った場所は青髪のメージュに治してもらうと同時に
海龍が斬られた尻尾の痛みから回復した
「あれ?思ったより効いてないみたいです」
回復してる間も大きな岩を叩きつけていた赤髪のペイナが謝罪してくるが仕方ない
亀のイメージ通り防御が高く甲羅の上からの攻撃は効かないと思ったほうがいいようだ
ギロっと海龍が睨みつけてくる
と同時に海龍の周りに多数の水球が集まっていく
「
これを
避けられないから目だけ守ったが、そのあと突進してきた
「「
「あ」
二人は俺の前に出て
俺は身体強化魔法を発動して上に避けていた
空中の隙だらけの俺に斬られた尻尾で突き殴られた
吹き飛ばされる俺を赤髪のペイナが空中で受け止め退避する
「ペイナ、あとでお仕置きだから」
そんな言葉を残し青髪のメージュはウォーターカッターで防いでる
「すみません、こちらのミスです。」
「いや、俺が最初に」
ウォーターカッターが言葉を遮るようにこちらを狙ってきた
少し気を逸らした間に赤髪のペイナが妨害していた水球を完成させ、
多数ある水球から線が細いウォーターカッターが繰り出される
「
今度こそ避けられない俺を察して、水球からのウォーターカッターは
「
青髪のメージュの様に吹き飛ばされないようにスパイクで踏ん張るが、足元は泥で海龍の水魔法でさらに滑りやすくなっている
「…トウヤさん、逃げ」
赤髪のペイナも同じ様に吹き飛ばされる
連携が崩れた隙に起こった一瞬の出来事
これで俺は一人孤立してしまった
赤髪のペイナの言う通り逃げることは
《出来ません。逃げるよりも早く攻撃が届きます》
俺もここまでか、短い
《まだです!私に【同調】すれば生き残れます》
同時に【同調しますか?Yes/No】と頭の中で出て来たので【Yes】と念じる
《【同調】成功しました。副作用としてご主人様が人格変異する可能性があります》
後出しでとんでもない事を言われたが気にしてる余裕はない
俺の周りを多数の水球が包囲し、発射前の収束が終わりそうになってる
(で、どうすればいいんだ?)
答えるように自動で左手が上がり完全無詠唱で水球を焼く
「ガゥア?」
「どうなってるんだ?」
《【同調】して私が動かした。呆けてないで行くぞ!》
体が勝手に動き海龍の首を斬ろうと動く
海龍も前足で抵抗するが軽く避け首近く甲羅の上に着地する
「ガアアァ!!」
突き落とすためにねずみ花火の様に回転するが体はその前にジャンプして躱す
少し魔法で滞空し、回転が収まったら首の横に着地し海龍が気づく前に首を落とし勝負がついた
「本当にどうなってるんだ?」
《【同調】解除。どうだ何か影響はあるか?》
全身を見回してみるが分からない
《分からないか、要観察だな》
「強いて言えば、エイの口調が変わってるな」
《私の口調が変わってる?変なことを言うな、私は元々こんな喋りだ》
「やっぱり変わってる」
《そうか、変な所が変化したな、今は私だけかもしれないがトウヤも影響を受けてる。後でメイド達に変化がないか聞いてみるといい》
そんなことをエイと話していると二人が戻ってきた
「「申し訳ございませんでした」」
二人は俺を一人にしてきたことを謝って来たが、俺は生きてるし気にしていない
それよりもエイと【同調】しピンチを乗り切ったが副作用の人格変異が気になる
今の所、エイの口調が変わっただけで他に変化は無い
他に変化が出るかもしてないから何か変わったことがあれば教えてくれと頼み二人は了承した
海龍の解体を終えた後、出現した原因を発見して帰路についた
これで初クエストと実践訓練は終わったが【同調】などの謎を残すことになった
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