第27話外伝:裏側の黒
・小話・
今回は始めての外伝版です。
今回ピックアップするのは、火炎の敵側、裏側の人達です。
いつもは火炎の主観で書いていますが、今回は第三者視点で書きますので、混乱しないようにしてください。
いつもより少ないです。
今回の小話はここまで、本編をお楽しみください。
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「雫は嬉しそうだったな。あの子の近くに居れて。家よりも笑顔だったよな、別れる時の顔が。」
火炎と雫は両親があんなことを言っているとは知らずに、家の門を出た。
門を出る雫は寂しそうに振り返り、家を見つめた。
火炎達がいる表側の白の世界とは、対立のある関係。そう裏側の黒の世界では、黒幕達が動き始めていた。
薄暗い広い部屋に楕円形の長細い机の周りに制服の少年を含め、30人が座っている。
「全員集まったな。それでは会議を始めるぞ。今回は憎き火炎の討伐方法を改めて考える。遠目、今の状況を教えてやれ。」
指名された隣のツインテールの黄色の髪の少女は、大きな水晶玉を机の真ん中の上に出した。
「僕のスキルで何度も追跡しているけど、高度のスキルで結界のようなものをはっていて全く行動が掴めない状況です。」
水晶玉にはよくテレビで見る、砂嵐と言われる映像が映り、全く見えなかった。
すると遠目の右2つに座っていた金髪のチャラい男が遠目を煽るようにして言った。
「スキルが千里眼なのに、これじゃあ全然役に立たんな。」
遠目が言い返そうと立ち上がった時、
右隣に座っていた右目に刀傷がある男が遠目をなだめるように、チャラ男を鎮めるように言った。
「落ち着け。
「ごめんな遠目。」
ムキムキのこわもてに怒られた存毘は
目線を下に向けて照れくさそうに言った。
みんながそれを見て笑った。
それを鎮めるように少年は落ち着いた声で言った。
「さあ、おふざけは終わりだ。俺からの提案だが2人1組のチームを組んで欲しい。今までは1人ずつ送っていたが、君たちの様な精鋭をチームで送れることで、もっと簡単にあいつらを
倒すことができる。
いい提案だと思わないかい?反対や質問のある者は手をあげて、なんなりと言ってくれ。」
奥にいた鮫の着ぐるみを被っている小学生ぐらいの少年が手をあげた。
「なんだい?
「なんで2人なんですか?4人にすれば数がいっしょになり、1人減ればこっちが有利になりますよ。」
「いい質問だね。ありがとう。確かに4人にすればいいけど、火炎達は後々2人なるよ。人数が少ない方がこっちの消費する人数が減るし、情報交換や作戦だてもしやすいでしょ。だから2人にしたんだよ。」
「わかりました。」
そう言って鮫肌は納得した。
すると存毘の右斜め前、少年から見て
左4つ目の席に座っている、アサルトライフルを背中に背負った男が手をあげた。
「はい、
「後々2人になると言われましたが、火炎達に何をする気ですか?」
「これもいい質問だ。もう、手は打ってある。寄生虫に住みつかれた虫の様に内部から崩壊して行くのさ。スパイが居るからね。そいつが仕事をしてくれるさ。」
そう言って少年は不吉に笑った。
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