第25話ひとり立ち

・小話・

投稿が遅くなってしまって申し訳ありません。リアルの方がまた忙しくなってしまって、小説を書く時間が取れずかけませんでした。

時々遅れてしまいますが、今後もどうかどうかよろしくお願いします。


今回は召喚系コールのスキルについて、詳しく紹介します。


八大属性というのは、魔法系マジカルのスキルだけで、召喚系コール増強系アップは属性の関係が多少薄れます。

といっても召喚系コールにも大きく分けて2種類あります。


1つ目は、召喚した召喚獣を出したまま自由に操作する。これが「操作型」といいます。


2つ目は、召喚した召喚獣を身に纏うことができる。これが「憑依型」といいます。


もっと細かく分けると、召喚獣の種類で決められます。

例えば、カブト虫や虎など、この世界に普通にいる生物を召喚するスキルは「通常種」といったり、

空想の生物を召喚するスキルは「希少種」など多くの種類があります。


今回の小話はここまで。本編をお楽しみください。


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暑苦しい体育館に、約500人の生徒が狭苦しく並んだ。

8月も終わりだというのに、外では蝉が鳴き、太陽がじりじりと体育館を熱していた。今日は2学期の始業式。


なぜ俺がこんなところにいるかというと、それはおじいちゃんのだったからだ。


おじいちゃんの考えたプランとは、学校には卒業式が終わるまでいき、学校からの帰りは家では無く、あの山小屋に帰り、修行をするというプランだった。


家族の居ない俺は勿論そのプランに従えたし、花樹は仕事を休んでいるから大丈夫。疾風は当たり前大丈夫。

だが問題なのは、雫だった。


雫自身は、このプランに賛成だったけど、家族はそれを許してはくれなかったらしい。夏休みの間は家で過ごし、

宿題や習い事が終わったあとに、修行に来ていた。

夏休みが終わってもまだ親からの許しが出ていないらしい。


いい所のお嬢様な雫は親が過保護で、

なかなか外遊びもさせてもらえないし、門限などあり自由には行動できないらしい。


俺や花樹が雫の家に行って親に理由を話して納得してもらうという手もあるのだが、雫は俺達に迷惑をかけたく無いのか、

「私の家庭の問題だもん。私がどうにかするよ。」

そういって、なかなか俺達も手が出しにくい状況だった。


そうこう考えているうちに、始業式は終わり、めんどくさい学校生活が幕を開けた。


夏休みの宿題は幸いな事に雫から教えてもらったので何とか終らせる事ができた。



冷房のきいた涼しい教室で黙々と授業は進まる。


給食を食べて、残りの授業を終わらせると俺は足早に教室を出て校門へ向かった。


制服のポケットから手のひらサイズの青い1〜9までの数字のキーボードがある、電卓の様なものを出した。

ワープコードだ。


ワープコードを使って山小屋までワープした。

数字を打ち込むとその途端青白い光が体を包み、一瞬、白く強く光ったと思うと、そこはもう山小屋の前だった。


ワープコードは目的地の座標を数字で打ち込む事によって、そこにワープできるという、「瞬間移動」のスキルを活用した、今では移動用の道具として広く使われている道具だ。


木の戸を開けると「ただいま」も言わずに中に入った。

リビングをに入ると、花樹がキッチンで何やら料理をしていた。


「帰ったならちゃんとただいまぐらい言いなさいよ!」


「あぁごめん。お爺ちゃんは?」


「時男さんか〜?どこだろう?探してみたら。」


お母さんと同じ事を注意するせいか、

エプロン姿の花樹がお母さんにしか見えない。

何となく寂しい気持ちを隠し、お爺

ちゃんを探すために、家の裏に行った。よくお爺ちゃんはそこでお風呂のための薪割りをしたり、瞑想をしたり、家の中ではできない事をしている。


狭い平地に少し草が生えているぐらいで他には何もない。

そこに一人、使い古し首元がよれている白いタンクトップに茶色いハーフパンツを履いて、足を組み、手のひらをを胸の前で合わせて合掌している。

瞑想中だ。


「おーいお爺ちゃん。相談したくて来たんだけど。」


俺はそういいながら近づいた。

お爺ちゃんは瞑想をやめ、立った。


「相談とはなんじゃ。」


「雫のことだけど、ずっと相談したくて、でも自分でどうにかしたくて。

やり方分からないなりに、頑張ったけど答えがわからなかったから。」


小さい頃は、困ったらおじいちゃんに相談していた。

けど、今回は自分で解決したいと思っていた。なぜなら、この先ずっとお爺ちゃんに頼っていかず一人で悩みを解決しないといけないから。

しかし、なかなか上手くいかなかったため、諦めて聞くことにした。


いつもは優しく教えてくれたお爺

ちゃんが、今回は厳しかった。


「わしに教えてもらった解決方法で旅に行くのと、火炎自身が考えた解決方法で旅に行く雫ちゃんは、どっちが嬉しいと思うかのう?

火炎。もう答えは出ているんじゃろ。もし失敗を考えているなら、それは大きな間違えじゃぞ。」


長く語られたメッセージを俺は、ひとり立ちさせたいお爺ちゃんの気持ちが読み取れた。

お爺ちゃんの言葉はまるで弾丸のように俺の心を的確に撃ち抜いて、迷いを消してくれた。

心にかかっていた黒いもやが消え去った。風に吹かれたように消えて行った。


8月25日、今日は土曜日である。

俺は朝早くから起き、洗面台にある鏡とにらめっこ状態。かれこれ10分は経っている。


悩みの原因は髪型だった。

赤色のくしゃっとした髪の毛をどうやって、清楚な雰囲気にするか困っていた。いつもは髪の毛をくしゃくしゃにしていて、ヘアスタイルなんて気にしていなかったから、どうしていいか全く分からない。


髪を濡らして形を変えては、また濡らして形を変える。これを10分ほどしているのだ。そろそろいつものヘアスタイルでいいのではないか。と思い始めてきた。


大きくため息をついたあと、いつものヘアスタイルにして、鏡とのにらめっこに終止符をうった。


白い半袖のTシャツの上に、前のジッパーを開けて黒いパーカーを着た。

下には同じく黒いスキニーをはいて玄関から出た。


玄関から出て山を下る俺を、花樹窓から眺めていた。


家から出て10.20分ほどで雫の家についた。


俺の身長とほとんど一緒の高さのへいが10m程続いていた。

玄関に続く黒く大きな門の前に立つと、深く深呼吸をしてゆっくりと目を開けた。


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