第23話修行

・小話・

今回は、皆の身長や誕生日などを紹介します。23話なのに、ほとんどが紹介されていないという怖さ…


氷河火炎:身長→180cm

誕生日→5月7日


雨風雫:身長→165cm

誕生日→6月4日


野原花樹:身長→159cm

誕生日→3月25日


疾風:身長→13m〜20cm

誕生日→ない


どうでもいい事なのですが、あるサイトをみていると、「関連」のところに、「カップルの理想の身長差」とあって、興味を持ってタップしてみました。(別にやましい意味はありませんよ!)ちなみに理想の身長差は

15cm差だそうです。


今回の小話はここまで、本編をお楽しみ下さい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして家族との溝をもっと深める出来事が起こった。

それは、母の入院だった。

病名は全身打撲と右腕、左脚の骨折だった。


重傷の母が、ギプスをはめて包帯で巻かれたまま、ベットに横たわっている姿があの時の俺にはひどく痛ましく見えた。

何故そう見えたのかは、自分でもはっきりと分かっていた。


骨折の原因は勿論、父の「DV」だった。盗み聞きしてしまったあの夜から俺は、父から目を背ける様になった。

質問されても無言のまま。

話しかけられても無視をする。

そんな状況だった。

いつも何か答えたら、母のように暴力を振るわれるかもしれないと言う恐怖がこみ上げてくる。


その事が気に障ったのか、父の「DV」はもっとひどくなっていった。それを知りながらも俺は、ずっと目をつむり知らないふりをしていた。


ある寒い冬の日、母へのお見舞いから帰った時だった。昼ごろから出て、3時ぐらいには帰っていた。

玄関を開けると、そこには父が立っていた。

父は俺が帰るやいなや、いきなり髪の毛を引っ張り、外へ連れ出した。

父は氷で俺を拘束し、何も言わずに、

家に帰った。

雪の降る、極寒の中で、氷に包まれたまま、2時間が経った。


寒さのあまり鼻水をだし、身動きの取れない氷の中で震えるだけしかできなかった。

冷たさによる痛みに耐えながら、いつかは助けてくれる。と根拠も何も無い中で、助けを待った。


☆★☆★


この先は気を失って覚えていない。

ましてや、思い出したく無い。

俺が思いでに浸っていると、


「ねぇ、修行するって言っても、どこでするんの?まさか火炎くんの家なの?」


花樹の声にはいつも驚く。小柄でどっちかといえば、可愛い系の声のイメージなのに、実際はとっても落ち着いて、少し低めのクールな声。


この前、このことを花樹にはなしたら

大樹の剣先を顔から数cmの所まで近づけられ鬼の形相でこう言われた。


「今度それを言ったら、ぶっ殺す。」


イメージを伝えただけなのに、危うく殺されかけた。


俺は少し遅れてから花樹の質問に答えた。


「ふっふっふっ。それは行ってからのお楽しみよ!」


「もおーそうやって勿体ぶらせて。」

「そうだよ!火炎君。そういうのを情報供給って言うんだよ!」


勿体ぶらせたためか花樹と雫に問いただされたが、そこを振り切って、外で待たせていた疾風に乗った。つられて他の皆も乗った。


目的地に着くまで、花樹と雫それと、いつこの話を聞いたのか、由紀にまで散々と問いただされた。


しかし、だんだんと話すネタがなくなってしまったため、そよ風に吹かれながら無言の気まずい空気を過ごした。

誰かが話題を出しても、「そうだね。」とか「そっか。」などすぐに会話が終わってしまって、長続きしない。


苦痛の時間を通り越して、やっと家のある町の上空まできた。


「あともう少しだな。」


と俺がつぶやくと、高速で流れる外の景色をみていた雫が聞いてきた。


「そういえば、そろそろ教えてくれてもいいんじゃないかな?」


「ああそうだな。そろそろ教えるか。俺が選んだ修行の場所は、あの山にある、山小屋みたいなものだ。」


そういいながら俺は、前方に見える大きな山を指差した。


疾風はその山の麓に止まって、俺たちをおろし、由紀の肩に小さくなって止まった。


そこから40分程歩き、山頂付近にある小屋にやっとついた。

小屋と言っても、そんなに狭くなく、

四人と一匹でも過ごすことのできる広さで、広間やキッチンがある。しかし

見た目はとてもボロく、台風が来たらすぐに飛んで行ってしまうのではないか、と思うぐらいで、なぜか風呂は今更ドラム缶風呂。

キッチンがあるなら風呂も電気でいいのに。

とくるたびにそう思う。


小屋が目前の所で、何故、修行をこの場所にしたのか理由を話した。


「この小屋にはよく、お爺ちゃんに連れてこさせられたんだ。火炎、合宿だ。なんて言われてな。風呂も爺ちゃんの入りやすい温度にさせられたり、

食材を取りに行くために、夜の森に出されたり、ほとんど召使いのような扱いだって、大変だったんだ。

でも、もう来れないんだな。と思うともう一回来たくなって。お爺ちゃんとの思い出が一杯詰まったこの場所で修行をしたいなと思ってここにした。」


俺は小屋のドアを開ける前に、少し手を止めた。

もう一度お爺ちゃんに会いたいな…

叶わないと思っていた、浅い願いだ。


ドアを開けようと手を伸ばした瞬間!

一人でにドアが開いた。

ドアの内側には何と⁈

目からは、涙が出て来た。


「お爺ちゃん⁈」

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