僕の幼馴染はペアを組みたい

都来圭

バドミントン部

バドミントン。

それは初速は時速493キロという球技の中では最速の競技。

世界大会などではラリー中に足をつるなどのことはよくあるほど過酷なスポーツなのである。

この物語はそんなスポーツに青春を捧げた高校生たちの物語である。




なんて、そんなカッコいい物語なわけがないじゃないですか。

僕の名前は山本尚輝。今年の四月で高校二年生です。勉強は中の中で、運動神経も中の中。ザ普通な人間でして。そんな僕がいるうちの高校は公立で、運動部では野球やサッカー、文化部では吹奏楽部などが輝かしいものを持って帰ってくるのに、バドミントン部は弱小も弱小で、去年なんか団体戦に出るのも男女どちらとも一年生含めてちょうど五人。そんな状態で勝てるのかと言われましても、無理でして。創部以来ずっと一回戦負け。そして、男女ともに二年生がおらず、三年生は卒業してしまい、唯一の一年生男子である僕がキャプテンになってしまいました。一応は中学校からはやってはいましたが、中学校ではトップメンバーに人数が足りなかったから入れたぐらいなので、そんなに…。今年もそんな感じなのかなぁ、ずっと思ってました。そんな今年度のはじまりに事件は起きたのです。




四月の六日の朝の教室で、僕は一人で勧誘をどうしようかと思っていたところに、

「おはよ、尚輝」

「あっ、おはよ、桜」

今、挨拶してきた女の子は鍋島桜、バド部唯一の二年生女子で部長をしてもらってる。そう、この時点でわかったかもしれないけど、うちの部活は二人しかいない。部員二人で部活として成り立っているのか?とか思われるかもしれないが、一応、生徒会と話し合った結果、まだ、部として存続している。しかし、今年男女四人ずつ入れないと高校として人数が足りないから団体戦に出れない。

「なに、ボーっとしてんのよ、尚輝。今日入学式なんだから、勧誘ちゃんとしないと!」

「そうだね。ちゃんとしないとね。はぁ」

「あっ、今、ダメだとか思ったでしょ!諦めるのは早いわよ!」

「分かってるよ」

だけどなぁー。

こんな弱小のところに来てくれるのだろうか。確かに入部したら即レギュラーではあるのだが。そんな猛者は来るのだろうか。

とか思っていると、桜の携帯が鳴った。

「ちょっと待ってて。終わったら、作戦会議だからね!」

「へいへい」

桜とはどんな関係なのかと言うといわゆる幼馴染。幼稚園の頃からずっと一緒。中学校の時にバド部誘ってきたのはこの桜だった。実際を言うと僕は彼女に恋愛感情を持ってる。あっちがどう思ってるかは知らないけど。まあでも、1回でも公式試合で勝ったら告白してみるのもありかなぁ。

とか思っていると、非常に青ざめた顔で桜がやってきて、そして、彼女が告げた言葉は

「部活無くなるかも。。。」



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