クロニカル
@NIAzRON
第1話謎の転校生
「
「カルトオオオォォォォォォォ!!!」
2人の少年の声が響き渡る。
2人は真っ直ぐに進み
ドコオオォォォ
お互いの右ストレートを顔面に受ける。
2人はその反動で少し後ろに下がる
「「クロニカル!!!」」
2人が同時にそう叫んだ。
1人は腕にダイヤモンドを形成。
もう1人は腕に血を集め剣の形に整える。
「だあぁぁ!!」
血の剣を振り下ろす――ダイヤモンドを纏った腕でそれをガードする――次に空いた腕で相手にパンチを繰り出す――血の剣を纏った少年は後ろに大きく飛び下がりそれを回避
「ブラッディスプラッシュ!!!」
血の剣を液状に戻しそれをダイヤモンドを纏った少年に飛ばす。
飛ばされた血液は、鋭く硬くなりまるで針のようにダイヤモンドの少年に降りかかる。
「くそっ!」
ダイヤモンドの少年は腕をクロスに翳し血の針を全てガードする。
「終わりだ!
ダイヤモンドの少年はその声が後ろから聞こえた事に焦りを見せるも前からは未だに血の針が降りかかっていて、とても後ろを見る事が出来なかった。
「ブラッディソード!」
そう声が響いたと同時に血の剣がダイヤモンドの少年の背中を貫いた。
「ぐはっ!……
そしてダイヤモンドの少年はその場に倒れこむのだった―――
※
チュンチュンチュン
朝、小鳥のさえずりで目を覚ます。
枕元に置いてある携帯を見ると時刻は朝の7時40分になる頃だった。
「あ、やべ…」
目覚ましは7時20分に設定してたのだが、何故か鳴らなかった。
いや、覚えてないけど消したんだろうな。
朝飯食ってる時間はないので、寝ぼけながらも制服に着替え2階の部屋から1階の洗面所に向かう。
鏡を見ると寝癖がついてたので、水に濡らし髪を整える。
そして歯を磨き顔を洗う。
玄関に向かうと靴が少なくて姉と妹は、もう出たんだと理解する。
「行ってきます」
そう言って俺は家を出る。
家は良くある一戸建てで玄関を出ればすぐに道路だ。
ここ、
学校が沢山あり、それに伴い学生もかなり居る。
見渡すだけで、様々な制服を着た人達がいる。
大人が3割に対し子供は7割居るらしく、寮生活をしている奴らが殆どだ。
でも俺みたいに幸奇町に住んでる家庭もある。
勿論、子供が多いので子供の犯罪なんかも多くてこの前も誰かがカツアゲにあっただの、どこかの学校の奴らが喧嘩しただの、そんな話題は尽きない。
「
後ろから俺を呼ぶ声がするも声に聞き覚えがあるので俺は振り向かず歩いていた。
「ちょ、ちょっと!滅!」
走ってきたのか女が俺の肩を掴む。
「由美!時間ねえから止まってられないっての!」
「なによぉー!幼馴染なんだしちょっとは合わせてよ〜」
この女の名前は
俺と同じ幸奇高校2年生だ。
こいつとは小学校からの付き合いで、まあ幼馴染という奴だ。
特徴は腕にミサンガを付けていて、肩まで伸びた綺麗な黒髪をしている。
「そー言えばまた出たらしいよ吸血鬼」
吸血鬼。
それは今世間を騒がしてる連続殺人者の事だ。
特徴として、遺体の血が抜かれている事から吸血鬼と呼ばれている。
俺が知ってるだけでも被害は20人以上だ。
「そうか…またか…」
「うん、しかも今回はこの辺らしいよ?滅も夜気をつけてね?」
「気をつけるも何も、見つけたら返り討ちさ!」
そう言って右腕を曲げ力こぶを見せる。
「あのねえ!そー言う事じゃないんだってば!」
何故か由美は呆れ顔でそう言う。
―――そして学校に着くのだった。
学校に着き教室に向かい中に入る。
そして自分の席に座る。
その瞬間学校のチャイムが鳴る。
危ねぇ…めちゃギリギリだったわ…と胸をなでおろす。
ガラララララ
「おはよう」
メガネをかけた少し小太りの中年男性が入ってきた。
このクラスの担任だ。
「えー!今日は皆にお知らせがある。なんと転校生だ!
その声と同時に教室の扉が開き1人の男が入ってきた。
見た目はイケメンって感じの奴だ。
「
「わあ!かっこいい!」
「うちのクラスにイケメンが!」
「立ち振る舞いも綺麗だし」
案の定女共がキャーキャー言っていた。
「あの…それより
転校生が、いきなりそう質問した。
それを聞いたクラスメイト達は{ギョッ}と驚き一斉に俺を見る。
「あぁ!君が一片滅君か!宜しくね?僕は先薔薇魅矢守。魅矢守って呼んでくれ!」
そう言って右目ウインクをしてくる。
こいつ一体何者なんだ…?
俺は今日初めて会った人物に危険な香りがしたのを確かに感じるのだった―――
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