同人「右左見」2号に寄せる詩集「追悼に寄せる詩集」

賤駄木さんbot

詩を寄せるにあたる序文

 まず、突然だが、私に趣味らしい趣味はない。しかしこの度、しいて言うなら、というところで、私は「模倣趣味」と題して六篇の詩を寄せようと思う。小説・詩歌・エッセイに至るまで、私は様々なものに影響され、模倣してきた。私のオリジナリティは、実のところないのかもしれない。それほどに、私は「模倣」を「趣味」的に手につけてきた。

 今回の詩集は、私が音楽を好むというところに端を発する。私は楽器ができない。譜面も読めない。しかし、音楽にはこの上ない「創作欲求」のようなものを沸かせる力があると思っている。私は活動の主たるものを小説に据えているが、この度、現在就いている仕事の新入社員が「雨天教室」というバンド活動をしていると知ったこと、また、柳井未奈人という友人が最新CDアルバム「ワンマンショー」をアマチュアとして発表したこと、そして、もともと音楽を志し、作曲をしていた小学校のころからの親友と最近旧交を温めたことを受け、いわば作詞の「模倣」をしてみようと思い立って書いたものが、今回寄稿する六篇の詩である。音数は合っていない。サビもAメロもあったものではない。しかし、音楽に載せて鑑賞することを前提として綴った詩ばかりだ。なにとぞ寛大な心で鑑賞していただければ、そして願わくば、何かしらのつながり、ならびに形において、この詩のもととなる模倣元がわかる人が現れることを夢見ながら、公開しようと考えている。


 それでは、さっそく参りましょう。

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