回想記録0004
行けど。
行けど。
それは暗い道で。
いつもは街灯が足下を照らす坂道も。
いくら先を見渡しても暗い。
ただ暗い。暗い。
後ろを振り返ったところで、あと人とアリエ達を確認する事はできなかった。
いや、
そんなことをする暇すらなかった。
私が走ってきた道なのか。
これから行く道なのか。
…
そんな事はどちらでもよかった。
なぜなら周りすべてを見回したところで逃げ道はなかったのだ。
闇よりも深い黒い壁が私達を飲み込んできた。
そしてすべてを飲み込んで消えた。
月の輝きも届かない。
黒い雲から落ちる黒く冷たい雨の夜は全てを飲み込みそして消えていった。
気がつくと私は、知らない街の浜に倒れていた。
そこは静けさが漂う。
たださざなみが押し寄せる静かな浜だった。
空を見上げると。
そこには白く浮かぶ月が2つあった。
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