第1-8話 とても昔の物語
すごく昔の話。
それは恐竜がいた時代みたいな昔ではなくて、
普通に人間が文化、文明の中で生きていた時代。
文化や文明が発達すると人々は、それを奪い合うように争い、戦争が起こった。
たくさん、たくさん起こった。
人間は、人間をたくさん殺す道具をたくさん開発した。
剣、銃、大砲、戦車、戦闘機、爆弾、etc…
気付いたときにはもう止まらなかった。
そして、ついにある一つの兵器が完成した。
それは、星ごと破壊してしまうような恐ろしいくらいの破壊力が想定される兵器だった。
それを作った研究者達は、先端技術の結晶だと言わんばかりに、最初の頃は熱中して開発に取り組んだ。
途中から少しずつ疑問を持ち始めた。
そして、完成後には過ちに気づき、震えるほど恐怖した。
研究者たちは、元々制御用として使っていた入力端末5台を、『兵器の起動をロックする鍵』として機能するように改造した。
5台の鍵がないと、この兵器はそう簡単に起動させることはできない。
そして、その兵器も含め、世界のどこかに、誰も気づかないような場所に隠した。
鍵は壊しても良かった。けれど何かしらの方法で起動してしまったら、もう止めることすらできなくなってしまう。
最も安全な場所に隠すことが優先されたのだ。
こうして、ほとんどの人たちは、その兵器にも、鍵にも気づかず暮らしている。
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