第二章 3
3
ギィィ……。
閲覧禁止の棚にまでは意外と簡単に行くことができた。
そこには、とても分厚い辞書みたいな本も、薄い本も所狭しと並べられていた。
「……で、どこの本を見ればいいんだ……?」
閲覧禁止の棚は書庫のほんの一部とは言っても、そこに並べられている本はざっと一万冊程だろう。
いや、多すぎない!?
「エドワード君、もう一層の事全ての本に目を通すって言うのはどうだ?」
メディア、それは鬼畜すぎ……。
しかし、それ以外に方法はないわけで……。
「よし!みんな、全部読むぞ!」
「「ええぇぇぇ〜!?」」
アンリとデイビッドは素っ頓狂な声を出した。
俺は近くの棚まで歩いていって、一番上に置いてある本を手に取ってページをめくった。
刹那──。
開いたページから蔓のようなものが飛び出してきた。
「うわぁぁぁ!?」
それは俺達に巻き付こうとうねりながら近づいてきた。
本によると、その蔓は"死神の毛"というもので、巻きついた対象の魂を吸い取るんだとか。
いや、ネーミングセンス!ネーミングセンスどうした!!?
などと心の中で突っ込んでいる間にも蔓は近づいてくる。
「みんな、一旦戻るぞ!」
案内された部屋まで背後を振り返らずに無我夢中で走った。
「ハァハァ……」
何となく閲覧禁止と言われている理由が分かった気がする。
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