第二章 1
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俺達が建物に入るや否や、勢い良く扉が閉まった。
「私たちどうなっちゃうの~?」
アンリが不安そうに俺を見つめてくる。
デイビットも、メディアも同様だ。
まだ決まったわけじゃないが、おそらくここがシロツメ荘だろう。
ショックのあまり動けずにいる俺達の目の前に、さっきの女性が現れた。
「お客様、シロツメ荘へようこそ。私は、ここのオーナーの妻のロイスと言います」
ああ、やっぱりそうだった……。ここがあのシロツメ荘だった……。
にしても、内装は外装と違ってかなり西洋っぽいな……。
すると、ロイスは俺の考えていることを見透かしたようにこう言った。
「お客様、内装が西洋っぽくて驚きました?そこがこの館の売りの一つなんですよー」
なるほど……まあまあ面白いな……。って感心してる場合じゃなくて!!
「あの、すいません。俺たち、ここに泊まりに来たわけじゃないんですけど……」
俺はここから逃げれると少し期待して言ってみた。
だが、現実はそう上手くいかないらしい。
「「お客様、そんなのわかってますよ」」
そう言いながら奥から出てきたのは、まだ小学生くらいの背丈の男の子と女の子だった。
「「お客様、いらっしゃいませ。」」
「私は、アルミス。そして、」
「僕がアロン。良ければ名前覚えてね」
「こら!自分の部屋に戻ってなさい!」
「「でもでも、久しぶりのお客様だから一目見ておきたくて……」」
「いいから戻りなさい!!」
「はーい……」
やや落ち込み気味の二人は奥へと戻っていった。
「ごめんなさい、お客様。お部屋をご案内しますのでついて来てください」
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