第一章 7

「シロツメ荘については分かったか?」

「あ、あぁ……。そんな怖いものがこの森にあるのか……それなら尚更早く探さないと……」

 ようやくデイビッドも理解したのか、いつもより真剣な顔になった。

「じゃあ3人に手分けして探そう。何があるか分からないから気をつけて」

 俺がそう言うと、デイビッドとメディアは無言で頷いた。

「1時間後またここで落ち合おう」

「「おう!」」

 俺は北東の方へ向かって精一杯走った。

 だが、俺はある違和感に眉をひそめた。

(なんか誘導されているような感じだな……)

 大小違う木々が1つの道になるように生えているように見えたのだ。

(気のせいか……)

 俺はあえて狭い道を走ることにした。


 どれくらい走っただろうか、自分の息がとても上がっていることに気がついた。

 膝に手をついていると、俺の両脇から誰かが走ってくる音がした。2人……いや、3人……?

 俺が少し警戒していると聞き覚えのある声が耳を突いた。


「「「エドワード!?」」」


 なんだ、お前らか……。

 メディアの隣にはアンリが今にも泣きそうな表情でこちらを見ていた。

 俺はほっとした。


 これから自分たちの身に起きることも知らずに……。

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