第一章 3

 俺たちが向かったのはいつもの場所だった。

 360°背の高い木々に覆われた、広場のようなところ。

 人はあまり近づかないし、スライム以外のモンスターには出くわしにくいから、スライムでレベル上げしたい人にはおすすめの場所だ。

「よ~し!じゃあ今日も楽しくレベル上げしよ~!」

「「おー!」」

 俺以外は皆やる気満々だった。一方、俺は……。

 やる気が起きない。

「おいおい、どうしたんだ?エドワード」

「そういえば、エドワード君のレベルっていくつだ?」

「あ、まさか……」

「あ、俺昨日レベルMAXになったぞ……」

「「「え、えええええ~!?」」」

「ちょ、ちょっとエ、エドワード!?それマジかよ!?」

「嘘じゃないよ。ほら」

 そう言って俺は皆の前に異世界住民票を出した。

 ちなみに、異世界住民票とは、自分の名前、性別、住んでる場所、レベルなど、その人の個人情報が書いてあるものだ。

「ほ、ほんとだ~……。じゃあもうエドワードはスライム倒す意味無いんだね~。でもさ、せっかくだし楽しもうよ~」

「あぁ、そうだな。よし、頑張るぞ!」

「「「「おー!」」」」


 それからスライムがのこのこやってきたのは数十分後のことだった。

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