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 今日のランチはイタリアンにすることは昨日の朝の水やりのときから決めていた。プチトマトが今日も結構な数を収穫出来そうだったし、バジルが良い感じに育っていたから。さすが、かどわき青果店から貰ったタネ。正確に言えば奥さんが作っている物を分けてもらっただけだけど。

 昨日スーパーで買ったのはピザ生地とモッツァレラチーズで、晩酌にはプチトマトとフレッシュバジルのマルゲリータを作った。自分でも驚くくらい美味くて勢いのあまりミケに連絡をしたくらいだ。

 だからきっとこの野菜たちのカプレーゼも美味しいに違いないんじゃない? これでチーズまで自家製だったらばっちりなのに。

「チーズってどうやって作るんだっけ?」

 原料が牛乳って事しか分からない・・・振り続けていたらチーズになるんだっけ? 作ってみるのも楽しそうだ。

「さー、収穫すっか」

 青空にもくもくと入道雲を膨らませて太陽がジリジリと肌に降り注ぐ。どうりで冷房が効かないはずだ。

「はーい、収穫しますよー」

 とこちらも百円均一で買った収穫バサミで食べごろのプチトマトをひとつひとつ取り上げていく。

「おー、美味しそう。良く育ったなぁ」

 思っていたよりも真っ赤なプチトマトが多くてちょっと嬉しくなる。用意していたボウルが一杯になった。続いて爽やかに揺れるバジルに手を伸ばすと、切ったところから既に美味しそうな匂いが。

「あー、美味そう」

 満足いく収穫にちょっと浮き足立ってキッチンへ向かう。

 野菜ってすごい。水と肥料をやっただけでこんなにも素敵に育つなんて! 他の野菜を作るのもなんか楽しそうだけど、それよりもまずあの子達をちゃんと育てなくては。

「もっと可愛がってあげなきゃ・・・ん、あれ?」

 鼻歌交じりでボウルを作業台に置いてふと気付く。この感じ、なんか知っている。

「・・・母さんかよ」

 育てている植物に話しかけているところも、可愛がっているところも、収穫して喜んでいるところも。

「ふぅ」

 まぁ仕方ない、親子だし。楽しいに対する対象が似通っていても。

「今度母さんにベランダでも育てやすい野菜は何かって聞かないと」

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