日進月異。所詮、レトルトと言わないで

 レトルトのカレーを好んで食べる。

 そう言うと必ず言われる事は決まっている。

 所詮、レトルト。

 本当のカレー好きなら店の味。

 

 私は思う。


 その一袋に込められた多くの思い。

 名店の味を寸分違わず再現しようとする情熱。

 他には無い、しかし何よりも美味しいカレーを作ろうとする情念。

 奇を衒わず、決して曲らず進み続ける愚直さを。

 

 その一袋には多くの思いが詰まっている。


 大きな牡蠣が入ったカレー。

 滲みだす牡蠣の旨みはカレーのスパイスと良く合う。


 ブランド牛を使ったカレー。

 深い牛の味わいが溶け込んでいる。


 有名チェーン店のカレー。

 自宅で何時ものあの味を楽しめる。


 長年愛されるカレー。

 留まる事を知らず、手軽に電子レンジで温められる。


 全てはレトルトカレー。

 所詮、レトルトと言わないで。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る