決ノ章
自分が『倭国神奏戦華』内のキャラクターネーム『
全てゲーム内の時と同じように発動した、さっき『
一振りすると
あと試しておきたいものはとプレイヤー操作キーを眺めて、これだこれだと配下NPCも呼んでおくかと思った矢先にエルタが「あ、あのお名前は?」と聞いてきたので「千景だ」と素っ気なく答えた。
「で、では千景様とお呼びします。私はこの国のアヴァルシス王国の王女です、ち、千景様は、千景様は一体何者なのですか?」
困った、なんと返答すればいいのか思いつかない、エルタに俺は忍者ですと言ってもわかるわけないし……今自分は、ゲームと夢と現実との間に伸びた細い白線のようなものを歩いているような感覚であり、事実だと思えることを受け入れてはいるが、まだ何が起こっているのか正確に判断出来てないかったし、何かを決定するにしても判断するものが少なすぎた。押し黙って考え込んでる千景を、
出現したところも怪しければ、自分自身の見た目も、中世ファンタジー世界のエルタのドレスと比べたら違和感がある
例え、自分が、ゲームの中のキャラで、この世界に召喚されて来ましたとエルタに本当の事を言っても、信じる信じないの前に、絶対理解されることもなさそうだった。
「……な、なるほど、そうでしたか、魔法陣から出てきたらすぐに邪神の
「エルタが邪神の亡骸と言っている、あの変なミイラが俺がここにいる理由なのか?」
「そ、そうですね、そうです、たぶんそうです、あの魔法陣と邪神のせいですね、たぶん……千景様がここに現れたのは……ただあの邪神の亡骸は千景様によって……」
「ちょっとまだエルタの話が見えてこないんだ、俺の置かれている状況も含めてね、詳しくエルタが今、置かれている状況を教えてほしい、俺自身は気が付いたらここにいたというか、この体で存在していることも不思議というか、何一つわからないんだ、記憶喪失とかそういうのではなく、とりあえず俺が何で呼ばれたのか、エルタは今どういう状況にいるのか教えてくれ、出来るだけ
「わ、わかりました、私はこの国の
「千景様が現れたあの部屋の扉に描かれた模様を、千景様も見た筈ですがあれは、ラフィーエの血族しか開けることは出来ないということも書かれていました。私自身あの部屋に入ることは初めてのことでした。あんな……あんな邪神の亡骸があるなんて私知らなかったんです!」
「エルタは見た目通りの王女で、宰相のゴルビスから逃げてきたら、邪神の亡骸とあの部屋で対面したと」
「そうです、あの部屋に入った瞬間、私の精神は、邪神によって汚染されました。そして邪神に、体を操られ、あの魔法陣が書きあがった瞬間に千景様が現れたのです、精神が汚染された時に邪神が考えていることが、私の中で重なりあったのですが、私の中に眠っているラフィーエの力を使って、邪神の加護を受けた自分の眷属たる魔王を召喚して自分の力を取り戻す手伝いをしてもらおうとしていたようです、ただそこに召喚されたのが千景様だったのは想定外のようでした。その姿を見た時に、邪神は戸惑い、すぐさま殺さなければならないと考えているように感じましたから、しかしすぐに千景様が破壊してくださったおかげで、その
「邪神が関係しているのがわかったが、俺が召喚されたのも謎だし、邪神の眷属の魔王……」いくら考えても、まったく心当たりがなかった。なにせ、現実世界には邪神なんてものはいないのだから、ゲーム内のノブナガが邪神の加護を受けていたっていのうはあくまでそれはゲームの中の設定であって、ここの邪神が加護を与えたと考えるのはおかしな話だ、もし本当に設定したのが邪神なら運営が、邪神を使ってゲームを作成してるってことになる、阿保らしい、そんなことはあるわけない。
千景が色々考えていると、また兵士達の足音が聞こえてきた。兵士達の姿を視界に捉えると、
この世界の情報が、なにもない現状では、
「これを被ると兵士達から見えず、俺達は見つからない」と説明しながらエルタを見ると、近い、大分近い、顔の距離も近い、心臓が
気まずい
横を通り過ぎて行った兵士達は、刀で切り伏せた兵士達の死体を見たのであの様な声を発したのであろう、そちらの方で騒がしい音がする、そして少しすると、こちらに戻ってくる足音が近づいてくる。奥の死体を見た兵士達が、青ざめた顔でこちらに、足をもつらせながら、走ってきて、千景達の横を駆け抜け、入口の方へと我先に走っていった。
その様子を見た千景は「失礼」と一言エルタに声を掛け、ぐいっとエルタのか細い腰に手を回し、千景は脇の下に米袋でも抱えるように、小声で
「ななななな」と声にならない声を発しているエルタを抱え、入り口のほうに向かう兵士達の後ろをついていった。死体を見た兵士達の
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