シノビーツナイトコア AW:RIMIX
駿河ドルチェ
アヴァルシス王国騒乱
序ノ章
「もうすぐだ
ギルドマスターの
新マップの最奥のボスである、第六天魔王ノブナガが召喚してきた
いつもは、術や技能を使い切った状態で突入していた呪詛翁からの一連の流れ。毎回この辺りから脱落者が出て、戦線を維持できず崩壊していたが、今回は違う、余力を残したまま迎え撃つことが出来ている。
もうすぐ最難関ダンジョンのネノクニ最下層にある
お互いの邪魔にならないように呪詛翁を一体、一体、釣り役が誘導して担当メンバーが的確に処理をしていく、その間にノブナガ本体にも、隙間を縫うようにダメージを与える。
ノブナガの衣装が濃い紫色の着物に変化し、
ノブナガが、禁忌詠唱を発動させると本丸内に存在する全プレイヤーは強制即死を食らう、最後の関門、数人が生き延びていたとしても無慈悲に幕は下ろされる。千景はこれを発動させないために、大技である水遁系最高の忍術『爆水遁
高圧線の鉄塔のように
ノブナガの口にまで達した海水が、詠唱している口の動きを止め、詠唱の強制ストップがかかり「今だ! 一気に押し切れ!」誰ともなく言った声が聞こえる。『
ノブナガが倒れた衝撃によって本丸全体が軽く揺れ地響きがなった。その後、ボスモンスターを討伐した時に鳴るBGMが部屋のどこからともなく流れてくる。どうやら今回のBGMは新曲らしかった。その後のノブナガの巨体は、大きな煙に巻かれて、その巨体に見合うだけの、モンスターを倒した時に出る、素材情報やドロップ情報が詰まった『
その瞬間に、大きな歓声が沸き起こった。次いで、ギルドメンバーが持ち込んでいた色とりどりの花火が次々と打ち上げられる。ギルド『
ラストアタックをした千景のイベントリには、大量のアイテムがなだれこんできた。中には今まで、目にしたことがない名称のアイテムもあった。ノブナガ討伐はゲーム内でも今回が初めてであり、千景が見たこともないということは、このゲーム内では現状、今入手した分だけしか存在していないということを意味していた。
ギルドメンバー三十五人、全員にその情報は開示されているので、それを見た回復役であった
千景はそんなギルドメンバー達の様子を横目に、分配のためにイベントリにある情報を確認しようとしたときにあることに気付いた。称号の欄のところに新規取得を示す、アイコンの点滅が見て取れた。
「あれなんか新しい称号増えてる『第六天魔王』っていうのが」
しかし他のプレイヤーにはその称号は貰えていなかったらしく「えー千景だけずるい、あたしは貰ってないよ」と呪術攻撃担当であった
「千景だけがその称号を取れたって言うことは、ラストアタック取るか、
「えーじゃあ回復役のあたしじゃ、一生無理じゃんその称号取るの」消滅たんが言った。
「まっノブナガはソロクリア絶対無理だし、千景がその称号付けてるだけで『空前絶後』の株がまた更にあがって、他のギルドにどや顔出来るわ」
「絶対『
「マジうざいんだけどQのやつら、あたしが後衛職だからって狙い過ぎなんだよ、ストーカーかよ」
「ちょっとつけてみろよ千景」罠罠が千景に称号を付けるように促す。そして千景は促されるままに称号を付けてみた。
「第六天魔王千景ってかあ、かっこいいねー」
「これじゃあ千景が魔王みたいね」
「まあ実際そうだろ、このゲーム『
「あれ、千景?」話している途中に千景が、
「ど、どういうことだ、本丸は、帰還も出来ないし、ログアウトも受け付けないから、強制的に電源を落としたとしてもキャラは残るはずなのに……流石に千景がドロップ持ち逃げとか考えられないしなあ」
「まだネノクニは実装されたばかりの新マップだし、あの称号を付けるとバグるとかあるんじゃないの、前もあったじゃん、新しい島が実装された時、大人数で上陸しようとするとみんな強制ログアウトさせられるやつ、このゲーム容量でか過ぎてSE殺しだし」
「しかも今連休中で、深夜のGMコール不可時間帯だからなあ、どうしようもうねえ」
「そうだなあ、ギルド情報もパーティー情報にも千景がログアウトしてるアイコンになってるしバグかこりゃ、じゃまあ分配は後日で! 千景以外のドロップアイテムは俺が集めるわ、で帰ってきたらこの責任取ってもらう形で分配全部あいつにやってもらお」罠罠が言った。そして「今日はもう2時超えてるから、俺寝ないとだから解散!」と言ってゾロゾロと『空前絶後』のメンバーは、本拠地の城に戻り各々ログアウトしていった。
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