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 一人、早口でしゃべり続ける女。だが不意に女の口が止まった。

 それは女の目に、ある物が見えたからだった。

 女は、懐中電灯をそれに向かって向ける。

 さなぎとひろしの頭上にあるそれが、光に照らされる。

 それは、さなぎが用意して、木に括り付けた、自殺の為のロープだ。

 女はロープの輪に釘付けになった。

 そして、女は愕然とした顔つきで、さなぎとひろしの顔を交互に見ながらゆっくりと言った。

「信じられない。あなた達、まさか。あなた達は……あなた達もなの?」

 その言葉に、ひろしは答えず黙っていたが、さなぎは口を開いた。

「あの、アナタ、もしかして、ミコさんですか? ミコさんですよね?」

「えっ? 知り合いですか?」

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