夏空
カゲトモ
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チッチッチッ・・・
いつもは気にならないはずなのに、どうしてだろう。こんなにも時計の音が気になるなんて。時間のことを気にし出すとどうしてか針の音が大きく聞こえるし、少し耳障りにも感じる。
あぁもう分かったから早く時間よ過ぎてくれ! そうじゃなきゃ無意味にスマホをいじってしまうだろう! 何回集中できないパズルゲームをさせるつもりなんだ、なんて。
俺が時間指定を間違えたからいけないんだけどさ。と、自分の過ちを悔いてまた一つため息。
なんでだろうなぁ、どうして店に届く荷物を午前中指定にしたんだろうなぁ。自宅に届くのと間違えて指定したんだろうなぁ、本当しっかりしてくれよ俺。まじで。
「はぁ」
しかもこんな時に限って色々買い出しに行かないといけないなんて、なんて偶然なんだ! 神様! 俺の日ごろの行いはそんなに悪かったでしょうか! 昨日部屋の照明を消し忘れて寝てしまったからでしょうか! あぁそうですか! それなら仕方ないですね!
「・・・」
いや、今から買い出しに行ってもいいんだけど、あと三分で来るはずなんだ。配達のお兄ちゃんの話だと・・・いや、信じてるよ? 信じてるから買い出しにも行かずこうやって開店準備を粗方終わらせて待っているんじゃん。 ね、だから、ね。
――ピンポーン
「はいー!」
インターホンが鳴り終わる前に返事をして立ち上がる。あぁ良かった! これで安心だ!
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