第5話 乙女の香り
僕はノノに呼び出されて、草原を森に向かって歩いている。
初夏だから、まだ草原の草の背丈は低い。それでも、濃い緑が夏なんだと教えてくれる。
無言で歩いていた二人だが、覚悟を決めたようにノノが話を始める。
「昨日のことは誰にも言わなかったよ。」
震えたこと?僕よりノノのが震えてたのに…負けず嫌いなんだね!
「わかった!二人の秘密だね!」
「うん!」
ノノが満面の笑顔だ!その笑顔になんだかドキッとした!
「それで、今日はお願いがあるの!」
「何?僕にできること?」
「うん!トイレに置いてた
「いいよ!どんな匂いがいいの?」
「決めてないの。だから、いい匂いがあったら教えて!」
二人でドレスマッシュルームを探す。
「あったよ!これはどう?」
つんつんとつついて、二人で匂いを嗅ぐと黒くて苦い飲み物の匂いがする。ノノに呼びかける前に
そうこうしながら二人で探していると、強いバラの香りがするドレスマッシュルームを見つけた。
「ノノ!ノノ!これ凄いいい匂いだよ!」
つんつんしてノノが匂いを嗅ぐ。
「うーん。いい匂いだけど、もっと、爽やかなのがいいなー。」
「そっかー。」
ノノが他を探しに離れていく。
うーん。あ!この匂い、あの人に似あいそうだ!
≪アイスクリエイト≫バラの花!
ドレスマッシュルームを氷のバラで包み、凍ったドレスマッシュルームを地面から引き抜いてインベントリにしまう。
ドレスマッシュルームは物理攻撃無効だけど魔法には弱く、凍らすと仮死状態に
2人で探していると近くの草がガサガサと動き、草に伏せていた10体のゴブリンアーチャーがニタニタしながら立ち上がり弓を引き
こんな低い草に伏せていたモンスターに気づかないなんて、僕はなんて愚か者なんだ!
ノノが僕にすがりつく。ゴブリンたちは僕たちを生きたまま連れ帰ろうとゆっくりと取り囲んでくる。
この距離だと…タマポチしか使えない!それじゃ、10体からノノを守れない!せめて僕が盾になってノノの逃げる時間を…!
スキル!≪超異次元召喚≫
・MP10% タマポチ 使用可能
・MP20% ギアメカ 使用可能
・MP30% アブソルブ 近距離のため使用不可
・MP40% アドミン 条件不適合のため使用不可
・MP50% セクレトリ 条件不適合のため使用不可
あれ?ギアメカが使える…時間かかるけど…僕が盾になる!
お願い!ギアメカ!!
ビシィビシィビシィビシィビシィビシィ…
頭上の空間が大きくひび割れていき、
歯車はガシャン!ガシャン!と僕たちの周りで巨大な何かに組みあがっていく。
「キキキッ!!!」
スキル!≪速射≫
0ダメージ!
≪射撃≫
0ダメージ!
≪射撃≫
0ダメージ!
≪射撃≫
0ダメージ!
≪射撃≫
0ダメージ!
≪射撃≫
0ダメージ!
スキル!≪2連射≫
0ダメージ!
0ダメージ!
≪射撃≫
0ダメージ!
スキル!≪チャージアロー≫
0ダメージ!
≪射撃≫
0ダメージ!
トータル 11ヒット 0ダメージ
ギアメカ防壁 HP 99999→99999
ゴブリンが攻撃するたびに、歯車が矢を受けてはじいていく。
ガシャン!ガシャン!と僕たちの周りにドンドンと壁ができ小さな城ができあがると、城の形をしたギアメカは僕たちを乗せて高く浮かび上がった。
ゴブリンたちは、あまりの事に呆然と眺めている。
スキル!≪超異次元召喚≫アブソルブ!!
ビシィビシィビシィビシィビシィビシィ…
ギアメカが開けた空間の亀裂が更に大きくひび割れていき、ひび割れた空間の向こう側に赤い線のタトゥーを入れた巨大な女性が姿を現す。今回は上半身を異空間から出し、汗の一粒一粒が大きな赤いシャボン玉になってゴブリンたちに降り注ぐ。
* *
* * *
パッパパパン!!!!
* * *
9999ダメージ!
9999ダメージ!
9999ダメージ!
9999ダメージ!
9999ダメージ!
9999ダメージ!
9999ダメージ!
9999ダメージ! オーバーキル!
9999ダメージ! オーバーキル!
9999ダメージ!
9999ダメージ!
9999ダメージ! オーバーキル!
9999ダメージ! オーバーキル!
9999ダメージ! オーバーキル!
9999ダメージ!
9999ダメージ! オーバーキル!
9999ダメージ! オーバーキル!
9999ダメージ! オーバーキル!
9999ダメージ! オーバーキル!
トータル 1から4ヒット 9999から39996ダメージ
付属効果でHP吸収 199980
ゴブリンアーチャー×10 HP45→0
ニカ HP72→72 オーバーライフ!
―― 10体のゴブリンアーチャーを倒した。
―― 超異次元召喚魔法Lv2 16/20
「ギアメカ、ありがとう!背中に機械油置いておくね!」
インベントリから昨日手に入れた機械油を大量におく。
「アブソルブ、ありがとう!これ受け取って!この匂い、君に似合うと思って!」
インベントリからバラの花の氷。強いバラの香りを放つドレスマッシュルームを差し出す。両手で優しく氷のバラをつまむと鼻に近づけ驚いた顔をしたあとパッと明るい微笑みを讃えて異次元へと帰っていく。僕たちを地上に下ろしたギアメカも歯車に分かれて異次元へと帰っていく。
「ふーん。ふーん。」
「どうしたの?ノノ…。」
「ふーん。」
「?」
「私に似合う匂いも見つけて!」
「え?」
「いやなの?!」
「い、嫌じゃないよ…。」
その後、夕方までノノが納得する匂いを探す羽目になった。
ノノが納得した匂いは、陽の光を一心に浴びたオレンジの香りだった。
――ギアメカ
超異次元の
ギアフロートミニキャッスル
城に変形したギアメカが一定の物理ダメージをカバーする、付属効果で10m浮きあがる。
――アブソルブ
超異次元の女神
バブルレインブラッディ
中距離の単体から複数体へランダムに20回ダメージを与え、付属効果で与えたダメージを召喚者に還元する。
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