村の少年は超異次元召喚魔法を覚えました。

酔玉 火種

第1話 はじめての超異次元召喚魔法

 王都ディアスまで、早馬で一日の街道にできた小さな村。

 そんな村にとうさんとかーさんと僕は住んでいる。


 僕の名前はニカ。10歳の村の少年だ。

 今日も畑近くの草原でゴブリンの間引きをしていた。

 ゴブリンって奴は狩っても狩っても近くの森や山から畑の野菜を狙って現れる緑色の小鬼。

 


 「てやぁぁぁっ!!!」

 スキル!≪クイックソード≫

 11ダメージ!

 14ダメージ!

 

 トータル 2ヒット 25ダメージ

 ゴブリン HP37→12


 「キィー!!!」

 スキル!≪ゴブリンジャンプ≫+≪斬撃≫

 7ダメージ!


 ニカ HP72→65


 「てぇぇぇぃ!!!」

 ≪斬撃≫

 18ダメージ!


 ゴブリン HP12→0


 ―― 1体のゴブリンを倒した。

 ―― ニカはレベル10に成長した。

 ―― ニカは超異次元召喚魔法Lv1を覚えた。


 「ん?あ!あー!!!やった!やったー!!!新しいスキルを覚えた!どんな効果だろ!」


 ―― 超異次元召喚魔法

  超異次元の存在を召喚する。


 「…よくわからないや。次のゴブリンで使ってみるか。」


 タタタと草原を走ってゴブリンを探す。草原はとても広いかなり走り回った。


 いた!


 少し遠いいけど、この距離で使えるかな?


 スキル!≪超異次元召喚≫!!!


 ・MP10% タマポチ 距離があるため使用不可

 ・MP20% ギアメカ 使用可能

 ・MP30% アブソルブ 使用可能

 ・MP40% アドミン 条件不適合のため使用不可


 ん?選択だ。


 じゃ、アブソルブで!


 ビシィビシィビシィビシィビシィビシィ…


 頭上の空間が大きくひび割れていき、ひび割れた空間の向こう側に赤い線のタトゥーを入れた巨大な女性が姿を現す。女性はゴブリンに向かってぶわぁぁぁぁっと僕が入れそうなくらいの大きな赤いシャボン玉をたくさん吹き付ける。


   *  *

 * *   *

 パッパパパン!!!!

 *  * *


 9999ダメージ!

 9999ダメージ! オーバーキル!

 9999ダメージ! オーバーキル!

 9999ダメージ! オーバーキル!

 9999ダメージ! オーバーキル!

 9999ダメージ! オーバーキル!

 9999ダメージ! オーバーキル!

 9999ダメージ! オーバーキル!

 9999ダメージ! オーバーキル!

 9999ダメージ! オーバーキル!


 トータル 10ヒット 99990ダメージ

 付属効果でHP吸収 99990

 ゴブリン HP37→0

 ニカ HP65→72 全快!


 ―― 1体のゴブリンを倒した。

 ―― 超異次元召喚魔法Lv1 3/10


 赤いシャボン玉が作り出す見たこともないダメージよりも、僕は異空間に現れた美女に釘付けになった。異空間が閉じ始め、ハッとして直ぐに草原に咲いていた花を摘み、異空間の女性に差し出す。異空間の女性はゆっくりと差し出した花に手を伸ばしれるが、瞬く間に枯れていき、とても、とても、悲しい顔にさせてしまった。


 異空間が閉じていく…


 ≪アイスクリエイト≫フラワー!!!

 ≪超異次元召喚≫アブソルブ!!!


 ビシィビシィビシィビシィビシィビシィ…


 閉まりかけていた異空間をこじ開けて、すかさず氷で作った花を差し出す。異空間の女性は恐る恐る差し出した氷の花を指でつまみ、消えないとわかると微笑んで異空間に消えていった。


 ―― 超異次元召喚魔法Lv1 6/10


 「は~。よかったー。キレイな女の子に悲しい思いさせなくて!」


 他も試してみたいけど、MPがないから家に帰ろ!



 その日の夕食でとうさんとかーさんに今日あったことを話した。


 「僕、今日スキル覚えたんだよ!」

 もぐもぐ

 「そうなのかい。」

 「ほー。どんなスキル覚えたんだ?」

 「女の子カワイイスキルだったよ!」

 もぐもぐ

 「ほー、弱いカワイイスキルなのか。」

 「ふふ。(得られただけ)良かったわね。」

 「うん!」


 ――アブソルブ

  超異次元の女神

   バブルブラストブラッディ

    中距離の単体から複数体へランダムに10回ダメージを与え、付属効果で与えたダメージを召喚者に還元する。



――――――――――

 新作書き始めました。

 1日1話ペースで投稿予定です。

 続きも読んでいただけたら嬉しいです。

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