君のいなくなった世界
青葉龍星
いなくなった後の世界
魔道書頭の異形頭が管理している図書館に今日も一人の常連客が来る。
図書館は沢山の本が保管されているが普通の本とは異なった本も保管されておりその本には人の記憶が書かれておりその人が生きていた時に体験したことなどか本という形で保存させている。
その本を読めば記憶の持ち主と同じ光景を見る事が出来る。
その全てを管理人一人で管理している。
「おや、また来たのかい?」
図書館館長でもある管理人が入ってきた客人に話しかけ、その問いに答える。
「はい。マキさんいつもの本をお願い出来ますか?」
その客人は頭が黒い箱で側面には和の模様が描かれてあり欠けてしまったと思われる場所には桜の花が飾られている。
館長と同じく異形頭と呼ばれる類いの者である。
「何度見てもあの結果は変わらないよ?
本で見れるあれはあくまでも記憶…すでに起こった出来事を見てるに過ぎないよ?」
そう言いながら館長であるマキが本を探しつつ話を続ける。
「それでもいいんです…あの人に会えるなら…」
「そう……まぁそれでも君の気がすむのなら止めはしないけど……」
マキが心配そうに客人を見ながら探してきた本を手渡す。
「ありがとうございます」
本を受け取り近くにある椅子に腰かけ本を開きその本に書かれている記憶を見始める。
「(桜夜…貴女がそうしてる姿を彼が今見たらどう思うだろうかねぇ……)」
そう思いながら口にはせず離れる。
「(たとえ同じ記憶を読み返す事になっても貴方に会えるなら……だって一人は……寂しい)」
彼女は今日も愛しい人との楽しかった頃の記憶を読み返す。
初めて出会い、そして失うその時間を……
「トートさん……」
そうボソッと一つ呟いて読み進める……
ーーーーーー
君のいなくなった世界 青葉龍星 @aoba02
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。君のいなくなった世界の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます