操り人形「ジョニー君」に出会う
うすばかのぼせやろう
蒲田の路上にて
帰りに路上販売のパフォーマンスを見た。
操り人形のパフォーマンスだ。
人形と言っても紙に描かれた下手くそなピエロのイラストを切り抜いただけ。
それが糸でつられて空中でうごめく。
だがその糸が伸びている空中には何もないし、説明している売り子も操作している様子はない。
よって人形は自発的に動いていると考えられる・・・が、糸以外の動力源を思いつけない。挙動も糸そのものだ。
この「謎」により路上販売の周りには人だかりができていた。
遠い昔、同じような光景に出くわしたことがある。
小学生の時、この操り人形ではないが、校門からちょっと離れた所で同じような路上販売をしているおじさんがいた。
自分は500円も払ってそのオモチャを買ってしまった。
オモチャは発泡スチロールで出来た細い管を適当に切って色を塗って底面に画鋲を刺しただけの粗末な物だった。
その色の付いた管を人形に見立て、下敷きの上に乗せて下から磁石で操るという・・・・・
画鋲が付いているから操れるのだ。
買ってしまってから後悔したものだ。
学校の前の売り子の「遊び方」は相当面白かったのに。
実はコノ手のインチキ商品。
面白さの真髄は売り子のパフォーマンスにある。
パフォーマンスにこそ真価があるのだ。
商品ではない。
子供の頃の後悔から、この結論に至るまで、相当の人生経験と時間を要した。
この手の路上販売では、商品を買うのではなく、売り子のパフォーマンスを楽しむのが真の「粋」。
勘違いしてはいけない。
騙されて買わなければ無料だ。
こんな面白い見世物はない。
そして今日の路上販売。
操り人形「ジョニー君」。
自分は売り子のパフォーマンスをずっと見ていたが遂に謎は解けなかった。
謎が解けたらつまらないかと思っていたが、タネを知っていたらもっと楽しめただろう事に気づいた。
家でネットで検索して。
さて種明かしをしてしまおう。
この紙人形を動かしていたのは売り子の側面にいた男だ。
一見、見物人にしか見えない男が実は仕掛け人だったわけだ。
水平に張られた糸の中央に人形の背中が引っ掛かっている。
糸の左端は路上の木箱に。右端は男に。
男が隠した右手で糸を引っ張る。
すると、糸がピンと張って人形が空中に浮かぶ仕掛けだ。
タネを知れば人形の動きから、張られた糸の中央に人形の背中が貼り付いている事が解る。
面白いのはパフォーマンスしている売り子が、人形の頭の上に糸があるように振る舞う所だろう。
人形は1000円だった。
糸はインビジブルスレッドという手品用の糸で肉眼では絶対に識別できない。
自分も実際1m近くで見たが、糸を見破れなかった。
どう見ても糸で吊ってる動きなのにね。
やってることはボッタクリのインチキなんだけど自分は好きですね。
こういうの。
無料で楽しめる極上のパフォーマンスです。
操り人形「ジョニー君」に出会う うすばかのぼせやろう @noboseyarou
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