第2話 縁観論とは関係性がこの世の本質であるとする仮説


 関係とは何でしょうか。親子の関係、恋人関係、人間同士が互いに関わり合いを持つときに私たちは「関係がある」と言います。上下関係、敵対関係、共存関係、関係も様々です。人間同士でなく私たちは無機物とも関係を結びます。私の家、私の車、私の洋服、私と無機物の間に目に見えない関係が生まれます。無機物同士にも関係は生まれます。 一揃えの靴、電車と線路、地球と月、雨と傘、ここにも関係と呼ばれるものがあります。もっと微視的な世界ではどうでしょうか。水分子を構成する酸素原子と水素原子、ベンゼン環を構成する1セットの炭素原子、一つの原子を構成する陽子と中性子と電子、やはりここにも関係はあるのです。

 これらに共通するのはどんな概念なのでしょうか。縁観論はもし関係というものが実存するとしたらこの世はどのように解釈されるのかを考えた仮説です。

 そして縁観論の仮説は一つの答えを導き出しました。物質などの主体があって関係があるのではなく関係性こそが主体なのだということです。目に見えない関係というものがこの世に実存しそれこそがあらゆる事物の本質だという結論に至ったのです。

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