ハッカーズ・リコーン
@tamitamiyan
第1話 湘南ホワイトハッカー大学
ナレーション「
湘南ホワイトハッカー大学
次世代を担うサイバーセキュリティ人材を育成するために
情報大学のサイバー国際競争力向上を目指して、大胆な大学教育の規制緩和のもとに新設された
サイバーセキュリティに強い大学である
この大学では、通常の情報大学のようなプログラミング入門講座など入門的な講座がなく
入学試験では、特別にプログラミングの試験があり
プログラミングができるものしか入学できない。
サイバー攻撃者の視点に立った授業を行い
より実戦に近いサイバーセキュリティを学ぶ大学である
その強豪校に
一人、プログラミングがあまり得意でもなく
学力も、さほど高くなく
両親を幼いころに失い
姉は精神障害が原因で餓死で亡くし
自身も発達障害という精神障害があるため、奥手の性格である
貧乏な大学生が一人、入学しようとしていた・・・
この、なんとも複雑すぎる境遇の持ち主の名は・・・
足立利虎(アダチ・リコ)
リコ「ん?大学の100円学食ってどんな感じなのかな・・・入学式の帰りに見に行こう・・・」
リコ「100円学食がある大学なんて、貧乏大学生の僕に優しい・・・なんて!素晴らしい!大学なんだろう・・」
リコは、これから自分がハッカーとして成長することで様々な問題に巻き込まれる運命に、この時点で、まだ気が付いてなかった・・
」
大学の入学式
学長「皆さん!ご入学おめでとうございます!私は湘南ホワイトハッカー大学の学長のサトウです」
学長「ご存知のように、当大学は、ホワイトハッカーやCSIRT(シーサート)と言った。次世代を担う情報セキュリティ人材を育成するトップクラスの大学です。」
学長「いま日本では、9割近くの日系企業で情報セキュリティ人材が不足。将来的には20万人不足すると言われています!」
学長「しかぁし!!!当大学は、あくまでトップクラスのセキュリティ人材を育成する大学ですので、新入生の皆さんは講義についていけず、つらいこともあるでしょう・・」
学長「ついてこれない方は、どうぞ!おやめになって結構!」
桐谷卓也「ひぇぇえ。厳しいな・・」
海外ドラマを観てハッカーがカッコイイという理由だけで、この大学に進学した桐谷卓也はうろたえていた。
華麗なる一族を見て、鉄鋼会社に就職しようと考える大学生が現れたり
木村拓哉が飛行機のパイロットの役を演じたら、飛行機のパイロットを目指す若者が増えたり
ユーチューバが人気になるとユーチューバになりたい小学生が増えたりする
アレと同じ発想である。
学長「厳しいと思われた方もいるでしょう!しかし!!!サイバー犯罪者は容赦ありません!私たちの指導よりも遥かに厳しいのです!」
オウジハン「上等じゃない!ますます!この大学に入学できてよかったわ!」
中国から来た女子留学生、王 梓涵(オウ・ジ・ハン)は、学長の入学祝いのスピーチを聞きながら、
新しい国での新生活に心を躍らせ、将来はトップクラスのホワイトハッカーになるという野心に燃えていた。
学長「それでは!まず、これから、この大学でサイバーセキュリティの勉強を4年間する皆さんが、どれほどサイバースキルがあるか、1週間後ハッキング大会をしたいと思います」
大学生一同「えええええ」
学長「静粛に!静粛に!」
学長「このハッキング大会は、できるだけ脆弱性を見つけるホワイトハッキングコンテストです」
桐谷タクヤ「いきなり、しょっぱなからハッキング大会とか聞いてないよ・・・1年生なんだよ!1年生だよ!!これマなの?マ?」
学長「通常の情報大学では1年生はプログラミングの基礎入門から学ぶ手ぬるい教育ですが、当大学ではプログラミングはできて当然!1年生から実戦!実戦!実戦あるのみです!」
オウジハン「さすが!日本で一番。情報セキュリティに強い大学だけはあるわね・・」
学長「なお、このハッキング大会は動画サイトにライブで公開されます!みなさん!失態はネットに永遠に残り、みなさんの成功はネットに永遠に残るのです・・・」
大学生一同「ええええ」
桐谷卓也「な、なんで公開されるんすっか!プライバシーの侵害ですよ」
大学生一同「そうだ!そうだ!大学生にも自治権がある!」
学長「静粛に!・・だって・・・大学の宣伝になるし・・・誰かが見てないと皆さんも、やる気をださないでしょ?人は人の目がないと頑張らないのです!」
大学生「そんな!あほな!」
学長「そうでしょうか・・・サッカーの大会は公開するのにハッキングの大会は公開しないなんて変ですよ!」
桐谷卓也「た、確かに・・・い、言い返せねぇ・・」
学長「大丈夫です!みなさんが、このIT強豪校に入れたわけですから、脆弱性の1個や1000個くらい・・ね?簡単でしょ?」
桐谷卓也「1と1000で差がありすぎんだろ!!!」
リコ「ハッキング大会か・・なにか貰えるといいな・・」
学長「勝てばいいんですよ!勝てば、ちなみに優勝者には図書券3万円プレゼントします!」
桐谷卓也「今時、図書券かよ!アマゾンギフト券だろ!普通・・・」
リコ「(僕は図書券でもうれしいけどな・・読みたい学術書が買えるし)」
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