あいす
わたしはあいす。ひんやりにふれた。わたしの心が奪われる。その瞬間がすき。(愛だとか友だとか、そんな優しさのふりをして、わたしの心を暴こうとしないで。からだが溶けてしまうから、わたしに近づかないで)わたしはあいす。ことばにふれる場所でからだが溶けていく。そんな儚さがすき。(夏だとか光だとか、そんな温もりのふりをして、わたしの心を殺そうとしないで。からだを失ってしまうから、わたしを傷つけないで)わたしはあいす。なみだがたれてぽつり。建前を失ってゆく。その無力さがすき。
わたしはあいす。夏の陽がまぶしい。心もからだもどろどろになって、もう消えてしまいそうです。
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