運送会社に勤めているOさんは、毎日トラックを運転し荷物の回収を行う。

「荷物つっても宅配や引越しなんかとは違ってね」

医療系の産業廃棄物をメインに扱うのだそうだ。

そのためルートは週ごとに同じで、決められた時間と曜日に決められた場所で荷物の積み下ろしをするのだという。

「そのとある一本のルートでまいっちゃってさ」

荷物をトラックの荷台に積んでいくのだから、それぞれの荷物が運転してる最中に倒れたりしないよう、配置には細心の注意を払うのだという。

「困るよなぁ……ふと見たら乗ってるんだもの」

何が、と尋ねれば。人だと答えが返った。

正確には人型の黒い影のようなものが荷物同士の隙間に挟まるように、体育座りをしているのだという。

「声かけるとすっと消えるけど。次の集荷所で開けるとまたいるんだよな。気味悪いけど仕事中のスケジュールはみっちり決められてるから」

放っておくことにしたらしい。

「そしたら調子に乗ったのか、毎回だよ」

しかも乗る場所と消える場所がまちまちなのだという。

「タダ乗りされてんだよね。都合のいいタクシーだよ」

近々会社にお祓いを頼むつもりだという

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