D.喫煙所(4分)
深夜に一人で残業をしていると煙草を吸いたくなる。
Dさんが喫煙ルームに行くと毎回、まだ煙の上がる消したばかりの吸い殻が灰皿に押し潰されている。
仕事が忙しい時期でもあったので気にせずにいたが、この前とうとう、その煙草の主に会ってしまったのだという。
顔を力任せに潰されたようなスーツ姿の女が、でたらめな方向に曲がった指で器用に煙草をつまみ、煙を頬のあたりの穴から吐いていた。
Dさんと目が合うとゲゲゲゲと笑いながら消えたという。
「飛び降りとか、噂にも聞いたことのない会社なんですけどね」
最近では、深夜の喫煙を控えるようにしているのだそうだ。
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