私の中では完璧だったあの子

@GOZUMA

第1話完璧なの!♡

私は西塚中学校三年生の西園寺椿。隣で一緒に歩いているのが同じクラスの親友五十嵐楓。今はワクワクな気分で学校に登校中!なぜなら同じクラスに好きな子がいるからよ!その名も西野椿!まさかの同じ名前!「ぐふふふふふふ」「あ!椿ちゃんまた西野くんのこと考えてるのね!」「だって〜」そんな事を話しているといつのまにか学校に着いた。毎日毎日西野君とは会ってるのにやっぱり緊張するな。なんて思いながら教室にはいった。「あ!西野君発見!」私は心の中でそう呟いた。私が西野君の事を好きになった理由はあの方は完璧だから。頭も良いし運動だってできる。部活では好成績を残し性格も完璧!まさしく理想の王子様!この時まではそう思っていた。ある日私は習い方の空手へ向かおうとしている途中に西野君の家の前を通りかかった。車窓から西野君の家が見えて西野君の家の窓に西野君がうつっていた。「あ!西野君だ!」車窓からだとあまり見えなかったがちょうど信号でとまっていたためじっくりと見れた。「西野君って家ではどんなことしてるのかな〜?」そんな風に思いながら私は西野君の家の窓をのぞいた。「やっぱり勉強や部活の練習なんかをしてるのかな?」なんて思いながら見ていた。すると突然西野君はティッシュ箱の方に向かった。私の心の中ではどよめきが起きた。「まさか、まさか、そんなわけないよね。完璧な西野君がまさか.....」その後そのまさかが起こった。西野君は自分の鼻の穴に人差し指を突っ込みグリグリと回した。「い、い、いゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」そして西野君の指から出てきたのは緑色をしたゴツゴツの物体だった。それをそのままティッシュにくるんでゴミ箱に捨てた。ほんの30秒程度だったと思う。でも私の中では何時間にも感じられた。「待てよ。あれは西野君のお兄さんか弟さん。だからあんなに似てたんだ。あ、待って。西野君は一人っ子だ。わかった。私を将来お嫁さんにする時に紹介しようと思っているんだわ!でも、なんで?分かんない。あ!分かった!今度こそ。あれは西野君のコスプレをした謎の二足歩行動物よ!そうよ。多分西野君のパパはコスプレオタクの変態なんだわ!」そう思えた。空手についたとき自然と怒りがこみ上げてきた。「何にしろ西野君にそんな鼻をほじるなんてくだらねぇ欠点あるわけねぇだろ!」そう思いついつい空手仲間をぶっ叩いてしまった。家に帰り西野君にラインをした。「西野君は謎の二足歩行動物を飼っているのか西野君のお父様は変態コスプレオタなのでしょうか?」気が動転しすぎて敬語になってしまった。すぐに返信が来た。「飼ってないしお父さんも正常だよw」........私はしばらく黙り込んでしまった。「w?なんでwをつけたんだ?まさか.......私に呆れすぎてwをつけたんではないのか?」「wwあいつ何言ってんだw呆れるぜw」「いゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」また発狂してしまった。「いや待てよ。西野君はそんな性格ではないだろ!私が惚れた男はそんな性格ではない!」しかし肝心な事を忘れていた。「じゃあ西野君って鼻ほじるのかな?」そう疑問に思いながら寝た。

次の日

「ねぇ楓。」「何〜?」「えっとね昨日ねあ、あ、あ、あのね、に、に、西野君のねい、家の前を車で通ったのね。そしたら窓から西野君が見えてえっとそのぉ、は、は、鼻を....ほじってたんだ!」私は思い切って楓に言った。楓の表情はまるで殴られた時のドンキーコングみたいだった。「う、うそ.....」私も楓も色々な感情が頭の中で飛び交っている。「楓!私今日思い切って西野君に聞いてみようと思うんだ!」「私も協力する!」周りの人にじっと見られた。「しまったぁぁぁぁぁぁ。なんでこんなに告白しますよ的な雰囲気を出しているんだ。」私は赤面した。「やべぇ!もっと勘違いされるぅ!」そう思いつつも学校に行って放課後西野君を校舎裏に呼び出して聞いてみた。「西野君!昨日ね西野君の家の前を通りかかった時にたまたま見ちゃったんだけどね、えっと.....西野君昨日鼻ほじってたでしょ!」私は思い切って聞いた。すると西野君は「あぁ。ご名答。」と答えた「え?」私は唖然した。「西野君は鼻をほじるの?しかもその事実をあっさり認めやがった。」そう思った。すると西野君は「鼻をほじって何が悪い。鼻をほじることは男のロマンだ!いいじゃないか!快感だぞぉ!お鼻の中がスッキリしてお花畑にいる気分だ!鼻をほじり鼻くそをとってティッシュにくるんで捨てる。はぁ、最高だ!」なんて野郎だ。気が狂ってやがる。私は好きな人に向けてそう思ってしまった。いや、この時からはもう好きでもなんでもなかった。ただのキモ男。私は失望した。「何度目だ!これで何度目だ!私が好きになった男。すなわち完璧な男はなぜかどいつもこいつもおかしい!なぜだ!前のやつだってそうだ。前のやつとは結構うまく行ってて私の中では両思いの気分だった。で、いっそのこと好きな人を聞いてみた。そしたら変なところに連れて行かされた。そこはアニメ王国とか言う所だった。そう。前の奴はアニオタだったのだ!そしたらアイツは僕の好きな人はことイリシア・アイリスちゃんだよぉw(声真似)とか言われて落胆した。あぁ私の人生不幸だらけだ。いい加減幸せになりたい。周りはリア充だらけだ。楓さえリア充だ。おい!どこにいるかしらねぇけどよく聞けよ神とか言う奴!誰を幸せにして誰を不幸にするか何で決めているかしらねぇけどよいい加減幸せにしてくれよぉぉぉ!!!」私の心の叫びだった。「貴様何奴だ。この神にその言葉遣いとはいい度胸だな。貴様に一つ教えてやろう。自分だけが不幸だと思うなよ。この世にはもっと不幸な奴なんて沢山いる。」神の声が聞こえた。でも私はそんなの関係なく物を言った。「なんだとぉ?!私より不幸な奴がたくさんいるだぁ?んなの知るかよ。私はさっき好きな人に鼻ほじってますよ宣言を親父ギャグを付録に付けてされたんだぞ!おい!聞いてんのかよ!おい!」「あぁ。聞いてるさ。確かに不幸だがもっと不幸な奴だっている。」「へっ。知るかって。私は私の中では完璧な人に鼻ほじってますよ宣言を親父ギャグの付録付きでされたって言ってんだろ!完璧なひとだぞ!か・ん・ぺ・き!」「哀れな奴だ。この世に完璧な男など一人もおらんわい。何が完璧だったのかは知らんがな鼻をほじっている時点で完璧では無い!それに貴様を不幸にしているのは私ではなくてくじ引きだ。くじ引きで誰を不幸にするか決めているのだ。お前は引き運が世界一悪いから毎回当たるのだ。でも、いいだろ。世界一なんだし。」「は?オメェぶっ殺すぞ?!叩き潰してミンチにして廃屋でハンバーグにして焼いてそのままほかっといてそのまま廃屋ごと燃やすぞ?」なんて怖い女だ。怖さも世界一だ。神は心の中ではそっと思った。「とにかく私が世界一不幸なんだ。分かったらとっとと消え失せろ。クソガキ!」神に向かってクソガキか....。「分かった。お望み通りに消えよう。」「分かりゃいいんだよ。分かりゃな。」しかしこれで終わるわけがない。神は消える直前に「やーい!もっと不幸な人は他にもいるんだよーだ!」と言って消えた。「なんてガキクセェ神だ。そうだ!私が神の座を奪ってやろう。」そう思った。「そうすれば西野君も鼻ほじらせなくすることだって出来るじゃん!私って秀才!」そう思って神の座を奪いに行く決意を示した椿であった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私の中では完璧だったあの子 @GOZUMA

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る