繋ぎ合った手のひらに

カゲトモ

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 愛は心が真ん中にあるから真心があって、恋は心が下にあるから下心がある、なんて言われているけれど、それって本当なんだろうか?

「ずずっ」

 今日は目覚めが良かったので少し早く、と言ってもまだ時計は朝の九時を指しているけど、モーニングを食べに来た。公園に面したこのカフェは朝早くからやっていて、昼過ぎにはもう閉まってしまうちょっとレアなお店は中華をメインにした珍しいカフェだ。

 本格的な中華料理を食べられるこの店の一押しオススメメニューは中華粥で、とろとろに煮込まれた優しい味わいとザーサイなんかのトッピングが激ウマ。もりもりお椀に一杯入れられてサーブされるけどペロッと食べてしまえるくらいだ。外はもうすでに暑いけどつい食べたくなって頼んでしまうくらいに。

「ふぅ」

 ドリンクだけはさすがに冷たいウーロン茶を頼んでストローですする。あー、すっきり。

 額に滲んだ汗を拭って顔を上げると、公園に面したガラス窓から輝かしいほどの芝生が視界に入った。少しだけ風が吹いているようだけど、この太陽の強さじゃきっと今日も暑くなるに違いない。太陽が本気を出す前に俺も出勤した方がいいよな?

 ・・・もうちょっと涼んでから。

 二杯目のウーロン茶を頼むか、やっぱりちょっと温くなってしまったお冷で済ますか、どうしようかなと思いつつ水の滴るカップを持ち上げる。お冷で我慢しよう。

 額を濡らしていた汗が引いてふぅ、と一息。青い空に雲一つない外は清々しいのかそれとももうクソ暑いのか。日傘を差しながらも散歩コースを歩いている姿を見ると、まだギリギリ大丈夫そうではあるけど・・・?

 白く涼やかな日傘をさしているのは、ゆっくりと優雅に歩くご婦人だった。姿を見るに七十くらいだろうか。杖はついていないけれど、少しだけ足が悪そうだ。

 歳を取っても筋肉を鍛えるのは大切だからと運動する気持ちはわかるけど、なにもこんな日にしなくても。今はまだよくてももう少しして気温が高くなって来たらどうするんだ。倒れても周りに人がいなかったら・・・

「あ」

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