第13話 春香と夏希

「……。夏希、それに秋雄君?」

「春香、どうしてここにいるの?」

「用事が済んだから帰って来たの。で、さっきのは何かしら?」

「夏希の目にゴミが入ったから、取っていたんだ」

「あー、そう。でも、私が質問をしたのは、夏希に対してなのだけど」

「春香、知らないふりをしていたのはお互い様でしよ?」

「そうかしら。秋雄君と待ち合わせしていたのを、夏希は知ってるじゃない。……場所も時間も」

「違うよ、春休み中に二人で出かけるのは知っていたけど、それがいつなのかは聞いてないもの」

「え、嘘でしょ?私が秋雄とよりを戻したいからって、夏希に話したじゃない」

「話しは聞いたよ。でも、春香は愚痴や不満を私に散々言ってただけだよね?ねえ、秋雄君はどう思う?」

「……俺、その場にいた訳じゃないから……」

「酷いよ、相談した時に、夏希に冷たくされた話をしたよね?」

「相談したけど、スルーされたような事は聞いたけど、俺の事でなんて、一言も聞いてないよ」

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