なんでもない様な顔

例えるなら

日曜の夕方

今日は早い時間から寝ていよう

心地よい温もりで包む布団を

着信

爆音の飲みの誘いで引っぺがされる様な感覚を

毎日

毎秒

余すことなく味合わされる


例えるなら

バッドトリップ中の満員電車

ゾワゾワと

髪を後ろに引っ張られ

膝がケタケタと憎たらしく笑う

グルグルと嫌悪の渦が巻き

飲み込まれる様な


例えるなら

苛立っている様な

哀れむ様な

酷く悲しむ様な

複雑な顔をホテルで向けられる様な


例えるなら

飲みに行く為に貯めたなけなしの三千円を

突然治療費に割り当てなければいけない様な


例えるなら

冷えたビールを

口に持っていく直前に取り上げられる様な


そんな不快感を

みぞおちに秘めていようと

いまいと


なんでもない様な顔を出来たら良いなぁ。

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