愛おしさ

愛おしく、寂しく想う事が「僕」を形作った。

思い出を心に溜めて、溜めて。

抑え付けたら爆発した。

思い出一つ一つが砂の粒子の様に

僕の胸からサラサラと流れて行った。

落ちた思い出を必死にかき集めるが

僕の指の間を通り抜けてゆく。

不安が襲う。

僕は次に何で自分を形作れば良いのだろう。

自分で自分を形作るには難しい程、不安定なゼリーの様になってしまった僕は誰かに、誰かの器にし、自信を形成する以外に術を失くしてしまった。

ハートのスカリフィケーションが切なく肌に残っていた。

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