第9話部員紹介その2
そう言って今度は大学二年生の部員紹介がはじまった……。とは言っても、特にこれといった部員紹介のためのやり方に変わりはなく、
「成瀬さんと同じ文学部の『朝霞』です。学部が同じという点では、純粋な意味でも、成瀬さんの直近の先輩にあたるのかな?」
「同じく、文学部二年の『増田』です。この部にいるのはあくまでもサブな趣味で、メインの趣味は、推理小説を読むことかな? 成瀬さんとは同じ学科ということもあるし、僕に対しては、タメ口でも別に良いよ。というかタメで来い。アチョー!」
増田先輩は、ある予備校の先生の真似をして、そう言ったが、しかし美和子には、いくらタメ口でも良いと本人から言われても、仮にも美和子にとっては学年上先輩であるため「それは出来ないです」と伝えた。それを聞いた増田先輩は、少し悲しそうな表情を一瞬だけ見せた。そしてそれはともかくとして、先輩たちの自己紹介はまだまだ続く……。
「経済学部の『西宮』といいます。よろしくお願いいたします」
「法学部二年の『塩尻』です。ちなみに根岸副部長も実を言うと、法学部なのですけれどね」
「えっ? じゃあ将来は弁護士ですとか裁判官ですとか、そういった法曹などを目指されていらっしゃるのですか?」
美和子がそう聞くと、塩尻先輩は、
「いや、僕も根岸副部長も、そういった考えは、大学に入った瞬間にとっくに無くなりましたね。法学部卒業とかの肩書なんて実はどうでも良くって、普通に一般企業に就職するつもりでいます」
それを聞くと、今度は西宮先輩が唐突に、
「僕も経済学部にいるはいますけど、就職は新聞社を目指しています。まあこの大学の知名度だと、最大手の新聞社は多分学歴でオミットでしょうから、何か専門性に特化した中堅の新聞社に絞って、就職活動をするつもりではいますけれども……」
そうご自身の将来の展望というか、就職活動の戦略の予定を話して下さった。
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