第7話愛美との絶交
「ごめんなさい愛美。実際に理系同好会に入部するかどうかは、今晩じっくりと考えさせて欲しいの……」
美和子はそう言ってその場をやり過ごし、その場でいったん愛美と別れ、本当に一晩じっくりと考え抜いた。
愛美を取るか? それとも『理系同好会』という部活をとるか?
この究極の選択に、一晩悩みに悩んだ末に、美和子は部活を選ぶ決心をした。
次の日にそのことを愛実に伝えると、美和子のその決断に、愛美は激昂した。
「美和子。あんな人たちの仲間に入るというのならば、あんな部活に入るのならば、それならば私たち、もう絶交だよ!」
愛美は美和子に、鋭い目線と鋭い口調で、愛美はそう美和子を怒鳴って、大学の最寄駅の地下鉄の入り口へと、向かって行ってしまった。
美和子はその夜になって理系同好会への入部は、愛美と絶交をしてまでも、入るべき部活であったのか、自問自答していたが、美和子の出した結論は、
(愛美が私にとって真の友達ならば、ちゃんと分かり合える、関係をやり直せる日がやってくる。もし仮に今後その日がやってこなければ、愛美と私との関係は、その程度のものだったのだ……)
美和子はそのように結論付けて、眠りにつくことにした。
しかしそれからというもの、美和子と愛美は同じ学部・学科なので当然ながら同じ授業も、当然ながらいくつも受けるわけだけれども、愛美の『絶交宣言』の後、教室で愛美と会っても愛美は美和子に対して挨拶をしないどころか、美和子のことを完全に『無視』するようになっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます