第3話 転生
やっぱり、僕は死んだのか? その証拠に世界が白い。そして、肌で感じるザラザラ。死後の世界は布の様な感触なんだ…。
その上、何か呪文の様なものが聞こえてくる。指図め、お経と言ったところか?
聞いていると不思議な事に気が付いた。呪文は知らない言語で唱えられているはずなのに、内容が解る…。
疑問…、では無く記憶の検索だ。何処かで聞いた事がある…、この不思議な出来事を。
しばらく、考えていると脳内検索にヒットがあった!
こ、これは…、アレだ!!!!!
僕の大好きなアニメ、
『転生騎士 真・ナイト・技亞・フレーム』
の第一話じゃないか!!!
まさか…。今、僕に起こっているのは。
体に纏わり付く布の感覚を跳ね除け起き上がる。
一気に視界が開けた。
「おぉーっ!」
多くの驚嘆(きょうたん)の声と共に今までの呪文が止む。そして、浴びせられる視線。
白いローブにフードを目深に被った人達が僕を取り囲んでいた。
その中の一人が前に進み出る。同じ白いローブだがデザインが違っている。どうやら、この人達のリーダー的な存在だろう。
「お目覚めですか。転生者殿。」
声から推測される年齢は老人だろうか。
「ここは?」
僕は日本語を話していてるはずだが、口から出た言葉は先程の呪文と同じで知らない言語だった。
「聞きたい事は、色々とあるでしょうが…。一旦、落ち着きましょう。」
手で合図すると、控えていたであろ人達が柱の陰から出て来て僕を毛布(?)らしき布で包んだ。
気が付いた。僕は裸だ。
「着替えを済ませたら、お連れしろ。」
僕は毛布を被せた人達に連れられれ隣の部屋へ。
差し出された服は、何処かで見たような気がする。でも、地球上にはないデザインだった。が、何処で見たは記憶にあった。やはり、第一話で主人公が着た服に似ていた。
否が応でも高まる期待。
着替え終わりで、姿見の前に立った。
「これは…、アレだぁぁぁぁぁ!」
思わず叫んでしまった。急に周りの反応が気になり、キョロキョロと辺りを見まわした。
(あれ? 驚いてない?)
その事に逆にこちらが驚くが、助かった気もした。
安心し、改めて自分の姿を確認する。
やっぱりだ! 今の僕は…
『16歳』『金髪』『碧眼』『筋肉質』…、その他…。
理想の転生者の姿をしている!
「神様、ありがとう御座います。」
言ってから、祈った事も信じた事もないって思い出した。
でも、神様だから許してくれるはず。だって、神様だから。
自分では、ほんの数秒だと感じていたのだけど、実際はもっともっと長かったみたいだ。
「どうか、されましたか?」
側に居た人が声をかけてくれた。
「いえ、何でも…。」
まさか、この姿が自分の理想だなんて言えるはずもなく…。それに、ちょっと恥ずかしかったから、ぶっきらぼうな返事になってた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます