鹿島麗子の百物語

無月弟(無月蒼)

私、鹿島麗子。怪談が大好きなの。

 私の名前は鹿島麗子。17歳の女子高生よ。

 みんなからは、怪談の鹿島さんって呼ばれているわ。何故って?それはもちろん、怪談が好きだからよ。


 小学生の頃に読んだオカルト小説に感銘を受けて、以来誰かに怖い話を聞いたり、本やネットを通じて怪談収集をしているわ。

 良いわよねえ、怪談……背筋も凍るような、ゾクゾクする話は大好きよ……怪談さえ聞けるのなら、たとえ死んでもいい……


 あら、ごめんなさい。つい自分の世界に入ってしまったわ。

 これから私の今まで見たり聞いたりしてきた怪談話を、一つ一つ語っていくわ。それらを聞いて、あなたも怪談が好きになってくれたら嬉しいな。

 仲間が増えるって、やっぱり嬉しいもの。


 さあ、まずは何から語ろうかな。そうね、前にある会社員の男性から聞いた話にしましょうか。

 え、どんな接点があって、その会社員から話を聞いたのかって?


 愚問ね。私の怪談に対する嗅覚を甘く見ないでもらいたいわ。私は自分好みの怖い話を知っている人と言うのが、何となくわかるの。一目見ただけでまるで運命の相手に巡り会えたような、「この人だって」感覚に囚われるわ。


 後は誠心誠意頼みこむ。前に街中で運命を感じた人に「怪談を教えてください」って土下座して頼んだら逃げられてしまったこともあったけど、大抵は上手くいくわ。本当よ。


 おっと、話がそれてしまったわね。それじゃあ気を取り直して始めましょうか。こわーい話を……

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