第22話「小さい頃のように」④

 ビーチパラソルに近付いていくと、一人体育座りをして斜め下を見つめていた芹沢がおもむろに顔を上げた。


「あれ?井川、どうしたの?」


 俺の顔を見るなり、一瞬芹沢はキョトンとした表情を浮かべたが、すぐに優しく微笑んでくれた。


「飲み物飲みに来たんだよ」


 なんでもないことのように言いながら、ビーチパラソルの下に入った。


 ずっと炎天下の中にいたせいか、気温自体はほとんど変わらないはずなのに、日陰は幾分か涼しく感じられた。


「暑いもんねー。結構こまめに水分取らないと、熱中症になっちゃう」

「というか、健吾のバカに色々振り回されたせいで無駄に体力消耗したんだけどな」


 苦笑いを浮かべながら言うと、芹沢はコロコロと笑った。


「あはは、そういうことね。吉川、全然疲れている感じないもんね。さっきも、三人とも海に投げ飛ばされてなかった?」

「おう。あいつ、加減を知らないから、思い切り顔面から海に突っ込まされた」

「あー、それは災難だね」

「まぁ、と言いつつ、あなたの相棒さんはその健吾を一切容赦ない飛び蹴りで海に沈めたんだけどな」


 さっきの光景を思い出し、こちらは少し背中が寒くなったが、芹沢は堪え切れなかったのか「ぷっ」と吹き出した。


「あはは!見てた見てた!いやー、由唯は全く容赦ないよねー。でも、それは吉川が相手だから由唯なりにはしゃいでるんじゃないかな?」


 そのまま、腹を抱えて大声で笑った。


「あれがはしゃいでいたとか…健吾じゃないと身体保たないぞ」

「うーん、でもそれは吉川だからじゃないかな?」


 流石に、付き合いの長さで言うと俺達三人と芹沢の付き合いは長い。芹沢も健吾の扱いは充分に心得ているようで、扱いは他の男子と比べても比較的雑だ。


 しかしそれは、中学,高校と話す機会が少なくなっていたにも関わらず、健吾に対しては変わらない距離感でいるということで、少し切なくなる。


 「まぁ、それもそうかー」と笑いながら答えて、レジャーシートの上に適当に転がっているペットボトルに手を伸ばした。


 そうしてペットボトルを拾いながら、ちらりと芹沢の横顔を伺う。


 芹沢は、さっきの雑談で少し和んだのか、緩んだ表情を浮かべながらじっと遠く、皆がいる所を眺めていた。


 さっきから見ていると、表情は穏やかに見える。原田が疲れていると言っていた割に、こうして見る芹沢は至って元気そうだった。


 それでも、その表情の所々にどこか切なさが滲んでいるように見えるのは、やはりただの俺の思い過ごしなのだろうか。


「芹沢は、バレーボールやらないのか?」


 なるべく、自然な会話の流れになるように聞いた。


「えっ?……あー」


 ところが、さっきまでは明るく振舞っていた芹沢の表情が見るからに曇った。


「私は……うん、暑いし、もう少ししてから行くよ」


 そして、苦笑いを浮かべた。


 その様子を見て、さっき遠目から見ていた自分の予感が確信に変わる。


「そうか」


 口調としては、何でもないことのように装いながら言う。しかし、視線はチラチラと芹沢を伺う。


 さっきまでと比べて、明らかに芹沢の表情は曇っていた。まるで、何か嫌なことを思い出してしまったかのように、目元に影が落ちている。


 それは、疲れや暑さなどではなく、皆と一緒にいるのがしんどいということに他ならなかった。


 いや、正確に言うとあいつの近くに居るということがしんどいんだろうか。


「なぁ…」


 その姿を見せられて、来る途中に何度も頭の中で反芻してきた言葉が口をついて出る。


「その、芹沢は、大丈夫なのか?」


 シミュレーションもしっかりとしてきて、なるべく自然に言ったつもりだったが、自分の声は少し上ずりがちで、どこか白々しく感じられた。それを誤魔化すように、飲み物を一口飲んだ。


 芹沢は、視線を皆の所から俺へと向けた。真っ直ぐ向けられた視線に、自分の白々しさが見透かされたのではないかと、少しドキリとしたが、芹沢は顔の緊張を解すようにへなっと笑った。


「うん、大丈夫だよ。実際、体自体はそんなに疲れているわけじゃないし、帰る体力はバッチリ残っているから安心して」


 言いながら、芹沢は笑ってピースサインを向けた。


 その芹沢の態度に、胸がジワリと騒いだ。


 芹沢の様子がおかしい原因は大体察しがついている。それを考えると、芹沢の心情がどんな感じかも何となく想像できる。


 そんな心身共にしんどい状態だというのに、芹沢は今俺のことを心配した。


 今回のキツい行程を企画した俺に対するフォロー。「大丈夫か?」と聴いた俺に対して、すぐさま芹沢が言ってきたのはそんな意味の「大丈夫だよ」だった。


 でも、実際の俺の「大丈夫なのか?」は、芹沢が言っている意味じゃない。


「まぁ、確かに体力面も大丈夫か、ってこともそうなんだけど…」


 少し口調が早くなる。早く、「違う」ということが言いたくて、それが自分自身をやけに焦らせた。


「その、何だ、あいつのこととかも…」


 「昇」、とその名前を直接出せないのが、変に俺自身が意識しているように思えて嫌だった。


「えっ…?」


 さっきまで力なく笑っていた芹沢の目が、驚きで見開かれた。


 その目が真正面からかち合う。じっと見られると、自分の言ってしまったことを隠してしまうように目を逸らしたくなる。


 でも、逸らしてはいけない。ドッドッドッと脈打っている心臓の音が耳元で聴こえてきて、全身がビリビリと痺れている。


 自分の顔が赤くなっていることは自覚しているが、ここで逃げてはいけないと自分自身を何とか奮い立たせる。


「…昨晩、何かあったんだろ、昇と」


 今度は、その名前をハッキリと伝えた。しかしそこが限界で、そこまで言えたところで流石に視線を芹沢から逸らした。


 芹沢の視線を横顔に感じるが、居たたまれなくて視線を泳がす。


 心臓の音が、耳元から徐々に下がって行って元の位置に戻っていくような感覚を覚える。まだまだ、心臓がドキドキしているのは変わりないが、今はなぜだか「言えた」という安堵感の方が強かった。


 そして、自分の感覚では随分長く、実際のところは一息吸うくらいの本当に僅かな間があったくらいだろう。


「…いやー、やっぱり分かっちゃうよね」


 芹沢は、「参ったな」と言わんばかりにまたさっきと同じようにへなっと笑った。


 つまり、少しこちらを気遣う芹沢の笑いだった。


「やっぱり、そんなに態度に出てたかな?」


 芹沢は、体育座りしていた身体を更にグッと引き寄せて、両膝を身体全体で包み込んだ。


「いや、芹沢自身が態度に出てた以上に、原田が急に理不尽に怒り出して、そこから、今朝になって何となく察しがついていったというのが正しいかな」

「あぁ、確かに由唯は明らかに怒ってくれてたからね」


 言いながら、芹沢は少し笑った。


「昨日の夜、あまりに問い詰められるから由唯に少し話してみたら、あんな感じになっちゃって…ごめんね、床で直接寝かせることになっちゃって」

「いや、そのことは別に気にしてないんだけど…」


 答えつつ、モヤモヤした気持ちが次第に浮かんでくる。


「まぁ、俺も詳しく何があったとか分かってるわけじゃないし、何となくの想像しかできてないけど…多分、別に芹沢が悪いってわけでもないんじゃないか?」

「うーん、どうなんだろうね。私も、もうよく分かんなくなってきちゃった」


 そうして、芹沢はさっきの笑いを繰り返す。


「私としては、ただ普通に昇と話をしたいなと思って、頑張って話し掛けに行っただけだったんだけどね」


 なるほど、何となく想像していたことではあったが、自分の予想はおおむね正解だったみたいだ。


 しかし、そんなことよりも芹沢が今でも昇のことを自然と「昇」と呼んだことにまた心臓が騒ぐ。


「話し掛けに行ったって…普通に、話し掛けに行っただけか?」

「うん。花火の時いなかったから、どこかにいるかなーと思って探してみたら居て、頑張って普通に話し掛けに行っただけ」


 普通に話し掛ける、というただそれだけのことに、「頑張る」という枕詞をつけなければいけないのが、今のこの二人の関係性だ。


 それでも、恐らく芹沢にとっては勇気を振り絞っての行動だったことは容易に想像できて、そこから今に至る結果を知ると、昇に対して沸々と苛立ちが湧き上がってくる。


「何ていうか…昇もよく分かんねぇな」


 苛立ちはなるべく表に出ないようにと努めたつもりだったが、口から出た声は少し棘を含んでいる。


「うん、本当それだよー。私としては、結構頑張ったつもりだったんだけど、結局ダメだった」


 そして、芹沢はまた笑った。


 さっきから繰り返す力ない笑い。


 それを聴くたびに、胸の中でモヤモヤとした気持ちが膨らんできて、それが心の中で言葉に変わる。


 何で、芹沢はさっきからこちらのことばかり気遣っているんだろう。


「…別に、今は無理に笑おうとしなくてもいいぞ」


 そして、それが芹沢に向けての言葉として声に変わった。


 芹沢が僅かに身じろぎした気がしたが、気にせず言葉を続けていく。


「一応、ここにいるメンバーの中では一番付き合い長いんだし、俺はお前らの事情も何となく分かっている。それに…」


 そこで、言葉が止まる。この先を続けるためには、少し自分の中でももう一絞りの勇気が必要だ。


「今、ここに来たのだって、芹沢のことが気になってたからだし」


 言った。言ってしまった。


 顔が内側から熱くなってくる。自分の顔が赤くなっているのが、見なくても分かる。


 しかし、言ってしまった以上は、もうその言葉を戻すことはできない。


 それは、あの日の放課後と同じことだった。


「……」


 芹沢からの返答はない。まともにそちらを見れなくて、顔も極力芹沢から背けているので、反応も分からない。


 でも、この沈黙はキツイ。一秒でも早くこの沈黙から逃れたいが、気持ちの中で大きくなってきた。


「あの、芹沢…」

「井川」


 無理矢理、沈黙を破ろうと口を開いた瞬間、それを掻き消すように芹沢の声が耳に飛び込んできた。


 その声は優しく、思わず顔が引き寄せられるように芹沢の方を見た。


 芹沢は、真っ直ぐにこちらを見つめていて、その目が真正面からかち合う。


 芹沢の表情はとても穏やかで優しくて、


 そして、どうしようもなく綺麗だった。


「ありがとうね」


 静かな声だった。その声が、何の澱みもなくはっきりと耳に入り込んできた。


「ありがとうね、井川」


 噛み締めるように繰り返される言葉に、少し湿り気があるように思えた。


 よく見ると、その表情は微笑んでくれているのにどこか切なさそうで、少し苦しそうに見えた。


 それを見た瞬間、デジャヴが自分を襲った。


 思い起こされるのは、放課後の教室のあの夕暮れ。


 あぁ、またか。


 心の中でため息が漏れる。


 もしかして、また俺はやってしまったんじゃないだろうか。


 一度経験したことのある苦い気持ちがせり上がってきて、喉を詰まらせる。


「…なぁ、やっぱり芹沢もビーチバレーしに行かないか?」


 しかし、それを堪えながら何とか出た言葉はそんなことだった。


 俺からの提案に、芹沢は僅かに目を見開いて驚きの表情を浮かべた。


 それに対して、今度は俺が力なく笑った。


「せっかく、しんどい思いしてここまで来て、もうここに居られる時間もそこまであるわけじゃないし、健吾じゃないけど遊ばないと勿体ないだろ?まぁ、疲れててそんな体力ないっていうならあれだけど…」


 まるで、何かの言い訳をするかのように、止め処なく言葉が吐き出されていく。正直、自分でも何を言っているのかよく分からない。でもそれは、一人でここに来た時からそうだったかもしれない。


 結局俺は、ここに来てあの日の気持ちをまた積み重ねてしまったのか。


 諦めにも近い感じで、フッと短く息を吐き出した。


「だからさ、芹沢も一緒に遊ぼうぜ!」


 もう何もかも吹っ切るように、まるで健吾のように無駄に元気に親指を突き立てながらニッと芹沢に笑い掛ける。


 そんな俺の様子を、少し口を開けて見つめていた芹沢だったが、その表情が次第に崩れ、「ぷっ」とさっきみたいに吹き出した。


「うん、そうだね、井川の言う通りだよ」


 そして、今度は本物の笑顔を浮かべながらゆっくりと立ち上がった。


「ここでうじうじしてたら、この旅の間中、変わらずずっとこのままな気がする。だから、思い切って遊ぶよ」


 言いながら、芹沢は上着のファスナーに手を掛けて、それを一気に引き下げた。


「……」


 目の前に現れた光景に、息を呑んだ。


 完全に水着姿になった芹沢は、上も下と揃いの水色の水着姿になった。下は、スカートタイプになっているが、上はヒラヒラも何もついていないシンプルなデザインだった。


 原田と比較すると胸は小ぶりだが、高校もテニス部だったということもあるのか、お腹周りはシュッとしていてボディーラインは凄くスマートだ。そして、テニス部だというから日光の下にいることが多いはずなのに、晒された素肌はそれを感じさせないほどに白い。


 恐らく、一般的な感覚で言えば、水着姿のインパクトは原田と比べると薄い。


 それでも、俺には芹沢の水着姿は目映いほどに輝いて見えた。


「だから、井川も一緒に遊んでくれる?」


 その姿で、芹沢は俺に満面の笑顔を向けてくれた。


 その笑顔に、こちらも思わずふっと笑みが零れた。


「もちろん」

「よし、そうと決まれば、思いっ切り遊ぼう!」


 まるで、原田のような元気さで芹沢は照り付ける太陽の下に飛び出した。


「ひゃー、日差しの下に出るとやっぱり全然違うねー」


 言って、芹沢は眩しい日差しを遮るように手でひさしを作った。口調は、元気いっぱいな感じだが、そこにはさっきみたいな無理をしている様子はない。


 それを、ビーチパラソルの日陰の下から見ていた。


 太陽の下で明るく笑っている芹沢は、本当に可愛くて綺麗だと思った。


「ねぇ、井川!」


 そんな芹沢が、クルリとこちらを振り返った。


「本当に、ありがとう!井川のお蔭で、元気になった。本当にありがとう!」


 あぁ、と二度目の溜息が心の中で漏れる。


 何で、芹沢はそんな笑顔を俺に向けてくれるんだろう。


 そんな笑顔は、俺に向けないでほしい。


「なぁ、芹沢」

「…うん?」


 こんなことを言うのは最後にする。


 だから、せめて最後のわがままを言わせてくれ。


 心の中で詫びる。


 きっと、またこんなことを言うと同じ思いをすると思う。こんなことは言うべきじゃない。さっき言ったばかりで、またこんなことを言えば俺はきっと間違いなく同じことを繰り返す。


 それは、よく分かっているはずなのに。


 でも、ここでこのまま何も言わないのは嫌だ、と俺の本心が強く願った。こんな芹沢の姿を見せられて、ただ心の中で思うだけなんて嫌だ、と。


 そして同時に、もしかしたらこれを言うために俺はここに来たんじゃないだろうか、と思った。


 だから、ごめん。




「あの日の放課後、俺が芹沢に言ったことを覚えているか?」




 さっきまで、緊張で顔が赤くなったり、言葉も尻すぼみになったりしていたのが嘘のように、すんなりと言葉が出た。


「…えっ?」


 俺の言葉に、芹沢は驚きの声を上げた。


 さっきとはまた違った驚きの表情、そして目の奥に見える戸惑い。


 そうして向けられた目を、俺は逸らすことなく真っ直ぐ芹沢に向けた。


 本気の言葉だと芹沢に伝わるように。


「…あの日って」


 俺からの視線に、今度は芹沢が視線を外しながら、目と言葉を彷徨わせる。


「あの日のことだよね?」


 しかし、芹沢も突然の俺からの質問に動揺したのか、そこから続く言葉は何とも間が抜けていた。


 その返答に、真剣だったはずが思わず笑ってしまった。


「何だよ、その返答。答えになってないぞ」


 そう、これでいいんだ。


 笑いながら、俺もビーチパラソルから日差しのもとへと出た。


 日陰を出るなり、直接降り注ぐ太陽の光に思わず目をギュッと閉じた。


 太陽の熱も、瞬時に体中を焼き付けてくる。


「ごめん、やっぱりここで言うべきことじゃなかったな」


 芹沢の目の前まで行って、同じように手でひさしを作りながら、片手で芹沢を拝む。


「今言ったことはやっぱりなし。聞かなかったことにしてくれ」

「……」


 あえておどけたように言う俺に、芹沢は何も言わずひさしの向こうからじっと俺のことを見つめていた。

 

 その表情は真剣で、どこか泣きそうにも見えたことで、充分満足だった。


「さぁ、遊ぶと決まったら早く行こうぜ。あいつらも芹沢のこと待っているだろうし」


 その表情には気付かない振りで、そのまま浜辺でビーチボールを始めている四人の元に向かって歩き出す。


「……るい」


 後ろの方で、芹沢が何かを呟いたのが聞こえた。


「井川、ちょっと待って」


 そして、いつになく強い口調で芹沢に止められた。


 その声に、足を止めて振り返った。


 芹沢は太陽の下で、じっと俺のことを見つめていた。


「私も、一つ井川に聴きたいことがある」


 こんな真剣な表情で、真剣な声で俺に話し掛けてくる芹沢を見たのは、あの日以来だった。


「井川は、何でそんなにも私たちのことを気遣ってくれるの?」


 芹沢の声は、その表情と同じく真剣で、真っ直ぐ届いた。


 その声に、どこか湿り気があるように感じられるのは、俺の願望だろうか。


「あぁ、それは、」


 だったらいいな、と思いながら、俺はいつものように芹沢に笑い掛けた。


「幼馴染だからだよ」


---


 あの日のことを後悔しているか、と聞かれると、今の俺は何て答えるだろうか。


 その問い掛けは、何度自分に向けてみても明確な答えが浮かんでこなかった。


 以前、健吾は俺にこんなことを問うた。


『それは罪滅ぼしか?』


 それを言われた時、反射的に「違う」と言い返したかった。そのはずだったのに、心がブレーキを掛けた。


 健吾の「罪滅ぼし」という言葉が、俺の心にまるで杭のように打ち込まれて、反論の言葉を止めた。


 そうして、結局健吾にはまともに反論することもできず、俺はうやむやに答えるだけで、健吾もそれ以上は追求してこなかった。


 それから、その言葉は何度も自分自身の声で問い掛けてきた。


 そして結局、まだその答えは出ていない。


 海に向かって、俺は何をしたかったのか。


 何をしようとしているのか。


 まだ、答えははっきりと出ているわけではない。


 その答えを出すためには、まだ俺にはやらなければいけないことがある。


 それをしないと前に進めない。


 俺も、芹沢も、そしてあいつも。


 だから、、

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