同志同士
カゲトモ
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「お疲れ様ですぅ」
「はい、お疲れ様です。今日も暑かったですね」
「暑かったですよぉ。もし私がスライムの身体だったらもう溶けてなくなっていますよ」
なんて本当に溶けそうな顔でべったりとカウンターに突っ伏してアキさんは言った。
「そうですね、この暑さじゃドロドロになってしまうでしょうね」
もしスライムだったらね。道端一杯に溶けてしまっていることだろう。そう思うとあの世界のあいつって溶けたりしないのだろうか? 詳しくないから良く分からないけど。
「ここは涼しいから極楽ですね」
「ここは、ですけど夜になっても気温は高いままですから、就寝時にも熱中症に注意しないとですね」
「電気代は正直痛いですけど、そうも言っていられませんしね。一応朝方まで冷房を付けて寝ています。高い温度で、ですけど」
「私もそうです。そっちの方が暑くて起きるようなこともないし、結局安眠できますしね」
「ですよねー。熱中症だけじゃなく、睡眠をしっかり取るのも体調管理の一つだし、こればっかりは」
「そうですね。あ、そう言えば先日のライブ、どうでしたか?」
「あ、覚えていてくれたんですね! すっごく楽しかったですよ!」
アキさんはロンググラスのモヒートを一口飲んでパッと顔を明るくした。
その顔は本当に楽しそうで。でも待てよ、確か野外ライブ日って凄く暑くなかったっけ?
「すーっごく暑くって本当に脱水症状の一歩手前だったと思います。水分を取っても汗で蒸発しているって感じだったし」
それって危険なんじゃ・・・?
「んー、お手洗いには行かないで済んだから良いって感じではあったんですけど、あんまり良くはないですよね。もう若くないし、無理しないようにしなきゃ」
ちょっと困ったように言ってもあまり反省の色は見えていないっぽい。本当に気を付けてよね。
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