第34話 叙爵準備1

【叙爵準備】


 奈津と色々と買い物をして回った。

 まずは腕時計を買う事にした、ソーラータイプで3000円程度のを30個、他に100個ほどを注文しておく、あと、女性用も含めてに8000円位のから30万ぐらいまで適当に購入してきた。

 

 化粧品を中心にグラス、磁器、陶器、日用生活雑貨、シャンプーやボディシャンプーに至ってはタンク買いをする契約をしてきた。いずれは領内で生産したいがそれまでは買って異世界に持ち込むしか無い。

 もちこむにはドラム缶に入れて持ち込むしか無いだろう。

 

 自分たちの運用用に電源の確保としてソーラーパネルを購入、業務用のソーラーも発注しておく、

 仲間内の連絡用に無線機を導入を考える。

 

 異世界には電波法はないので使いやすさで言うと海外規格の業務用無線を領内の山にレピーターを設置して運用する事にする、アマチュア機の周波数を合わせるより業務用のチャンネルを合わせる方が知識のない人には使いやすい。

 

 販売用に特小無線機数十台と特小のレピーターも買っていく、恐らく城内の警備用には売れるはず...多分...

 

 今回は直接購入するより注文の方が多くなってしまった。

 取り敢えず次回、持ち込む物を購入して自宅へ帰ってきた。

 自宅でくつろいでいると、呼び鈴が鳴った。

 

 「来たわ、今度の候補者・・・」

 奈津はやってきた訪問者を出迎えに行った。

 「良く来たわね、さ、あがって、あがって」

 

 「久志、来たわよー」

 眷属の希望者を奈津が連れてきた。

 

 「な、愛彩ちゃん?、愛彩ちゃんがどうしてここに?」

 愛彩の突然の登場に久志はパニクっていた。

 

 「奈津、おまえが言ってた宛てって愛彩ちゃんの事だったのか?」

 「そうよ、なんか、知らないうちに仲良くなってる見たいだし、丁度良いかなって?」

 「そうゆう事でよろしくね、久志さん!」

 なんか、奈津の言葉にはとげが有りまくりなんですけど・・・もしかしてお怒りでいらっしゃる?

 

 「そう言う事って、内情は分かってるのかな?」

 「もちろん、ちゃんと、色々と話したわよ、夜のお勤めも含めてね」

 

 「よ、夜のお勤めって・・・いくら何でも姉妹は不味いんじゃ無いか?」

 「あら、親子って言うのは問題ないのかしら?」

 「親子って?」


 「アメリアの事よ・・・」

 「アメリアはまだ、何ともなってないじゃないか・・・候補になるかどうかすら分からない状態だし」

 アメリアは現状どうなるかは本人にすら分からない状態だった。

 

 「わかるわ、アメリアは久志の事が好き、それは間違いないわ、ただ、召喚獣と眷属との間で混乱しているのよ、でも直ぐに結果は出るわよ。」

 

 「うーん、ま、眷属の話は置いておいて向こうを見て見るのはいいだろう。愛彩ちゃん、行ってみるかい?」

 「うん、もちろんよ、一緒にラブホテルに行ってお風呂に入った仲なのに今更聞く?」

 「お、おい、おい、愛彩ちゃん・・・それは・・・」


 「ちょっと、久志、どういう事よ、ちゃんと説明して貰えるのかしら?」

 奈津は怒っている、かなりお怒りのようで背後に夜叉が見えた気がした・・・

 

 「な、奈津、それは多分、誤解と、妄想が入り交じってると思うぞ、お前が思ってるような事はなにもないからな・・」

 「えっ、久志さん、あの夜は何だったの、私を弄んだのね・・・」

 この娘、わざと爆弾を投げ込んでいるな、からかってるつもりか、単に楽しんでいるのか?

 

 あの時は、確か2人で飲んで帰る時にゲリラ豪雨に逢いびしょ濡れなったから雨宿りした場所が、そういったホテルの軒先で流石にそこで雨宿りする訳にも行かずにあくまでも緊急避難の目的で入っただけでやましい事は無い。

 

 「あら、楽しくお風呂はやましくないの?」

 「それは濡れた服を乾かす間に風呂に入ってたら愛彩ちゃんが乱入してきて・・・まさか抱えて連れ出す訳にも行かないだろ。」

 久志は自分の正当性を主張していたがすればするほど、どつぼにはまっていく久志だった。

 

 「あぁ、あ、優柔不断の久志の事だから困った振りしながらしっかり見てたんでしょう。」

 「うん、うん、視線感じたよ、もう、ぐさぐさ刺さるぐらいに・・・それにどっかも元気いっぱいだったし」

 (あぁ、止めてくれー、立ちなおれなくなる、おじさんは見たよ、確かに見たよ、そりゃ見るでしょ普通、見るなって言う方が無理な話でおじさんは聖人君子じゃ無いんだから)

 

 「そこまでいうか?、そんなに追い込まれちゃ、連れてけないな?」

 「わ、わっ、冗談よ、冗談に決まってるじゃ無い、」

 

 「ま、冗談はさておいて、本当に行って見るつもりか?」

 「うん、行く!、連れてって・・・」

 「わかった。」

 

 「領地の発展に付いて意見を聞きたいな、領地は中世のヨーロッパって考えて良い」

 一応、3人の中では一番知識がありそうなので聞いて見た。

 

 「そんなの、現地の状況を見てみないと分かんないじゃない。今の時点で想像が付くのは久志と殆ど変わりが無いわよ」

 「ただ、化石燃料はよく考える必要があるわよねぇ。..」


「それに私が蒸留出来るのは実験室レベルぐらいまでの知識しか無いわ、それでも出来るのはいわゆる白ガスと呼ばれる物で、早い話がナフサなんだけど・・ガソリンとなると各種添加剤が必要になってくるのでまだ、灯油や軽油がましだわ、運用レベルのプラントとなるとまた、専門の知識が必要だからかなり厳しいわね、・・・」


「まず、最初は現状を把握しましょう!」

見た事もない、世界でどう工業やインフラがどうのと言われても多少の知識があっても答えようがないのは事実だった。もちろん、久志もその辺は分かってはいるのだが、やっぱり聞いてしまうのは元商社マンの性なのかも知れないなぁ・・・

 

 愛彩にとっては初めての異世界・・・

 不安なのか妙に後ろから抱きつかれています。

 「あんた、心配し無くても手を握っていれば大丈夫だからと言うのも聞かずにしがみついている」

 

 「良いじゃない、初心者なんだから・・・」

 俺たちは辺境泊邸へと転移した。

 

 

 

 。・゜・。。・゜・。。・゜・。。・゜・。・゜・。。・゜・。。・゜・。。・゜・ 

□■□ 美恵子 Side □■□


 荷物を整理していたら久志と共同でしていた車購入の為の定期預金が合った、すでに満期を迎えていたので解約をして半分に分けようと思ったけど、印鑑が無い・・・

 

 印鑑もないし現状は他人になってるので私自身が解約出来る見込みはまず、ない。

 満期で払い戻しがされていないところを見ると自動継続になってるぽいので久志に電話するが何時掛けても出ない・・・

 

 私からの電話を拒否してる?、他人の電話を借りてみても出ない。.


 携帯の番号は離婚時に消した・・・

 マンションに戻ればメモでもあるんだけど、鍵は返したし持っていても今無断で入れば不法侵入。

 奈津には思い切って電話したけどでない・・・

 

 共通の知人の頼ってやって携帯の番号をゲットした。

 『こちらはデコモです、おかけになった番号は現在使われて下りません。』


 久志は携帯を解約しているようだった、久志らしいと言えば久志らしい、何かあれば殻に閉じこもってしまうのは昔からの癖だっわね、番号を変えて一切のしがらみから逃げだしたいって考えた事は美恵子には容易に想像出来た。


 確かに以前の久志だったらそうだったのかも知れない、でも、現実は違っていた単に奈津とおなじキャリアのスマフォに揃えただけだった。もちろん、この世界との関わりも減らす意味もあった。

 

 仕方なく最後の手段、離婚してからは掛けにくかったけど、久志の会社に掛けてみる。

 『篠崎は都合により退職しました。』

 

 美恵子はショックだった、まさか会社まで辞めるとは思っていなかった、離婚を切り出した時の態度は久志にしてはあまりに不自然だった。無理の結果がこの事態を招いたかと思うと美恵子は自分の裏切りに心を痛めていた。..

 

 美恵子は久志が何度か家に連れてきた事がある後輩を思い出し変わってもらった。

 

 『ここではちょっと話ずらいですねぇ、,』

 「私実は、御社の近くまで来ているのでこれから喫茶室の方で如何でしょう。」

 私が出向くと彼はすでにコーヒーを買ってきてくれていた。

 

 『理由ですかぁ?、理由は奥様の方がご存じだと思いますが・・・』


 「課長、実は来年から部長の内示を受けたんです、うちでは最年少の部長の誕生だと期待されてましたけど・・・それが突然、温泉でも行くって休暇をとって、帰って来たら今度は旅に出て新しい人生を見付けたいって退職されました。会社側も随分引き留めたみたいですけどね。」

 

 「僕にもそうですけど、いろんな人に夫婦の関係の修復の方法なんかを聞かれてましたよ、まあ、成果は無かったみたいですが・・・仕事も頑張る、家庭も頑張るって言ってましたから。仕事の方が成果が付いてきましたけど、家庭の方は上手くいかなくて時折、悩まれてましたよ。」

 

 「ま、結局の所、ポッキリ折れちゃったんじゃ無いですか?」

 

 胸にグサッと来たが、美恵子は何も良い返せなかった。

 そう言えば思い当たるのだった。.元々優しい夫ではあったが3年ほど前から夫は言われなくてもいろんな家庭内の事をやるようになった。


 その分私は楽になってより仕事に打ち込めたけど、彼の思いやりには気づいてやれなかった。

 何事にも正面から立向かない夫に嫌気がさしていたが実は夫は夫なりの方法で立ち向かっていたのだと今、気づいた・・・

 

 もう、遅すぎる・・・

 私の心は別の所にあるし、久志の心ももう、ここには無い・・・

 もう、前に進むしか無い・・・あぅ、定期の解約どうしよう。

 仕方ないかぁ、気が向かないけど久志の代理人、行政書士だったかしら・・・連絡してみよう。

 

 その後、定期は解約されて半分を美恵子が受けるとる事が出来た。

 

 

♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*゜♪

2018/09/17:誤字、脱字、誤用の修正をしました。

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