第5話 辺境伯家に馴染む
【辺境伯家に馴染む】
アメリアに付いて食堂へと向かう。
うん、やっぱり家族勢揃いだ・・・、ま、これが普通の家族だよね。
今日の夕食は野菜のスープにステーキ、歯が折れそうな、いや、丈夫になりそうなパンとサラダだった。
さて、俺の扱いは・・・
アメリアの足下に用意してあった、もちろん、テーブルとは思わなかったが、生肉だ・・・はぁ、やっぱりフェンリルだから生肉だと思われてるのか、
ちなみに今はフェンリルだが猫舌だ・元々猫舌だったりするんだが/
「ジェシカちゃん、俺の肉、焼いてくれる?、焼き具合はミディアムで・・宜しく」
側に控えてたジェシカに肉を焼く様に頼むと思いっきり驚かれていた。
「焼いて食べるんですか?、てっきり生肉しか食べないって思ってました。直ぐに焼いてきますね。」
「うん、それぞれなんだけどね、僕は焼いた方が好きなんだ、手間を掛けるけど宜しくお願いします。」
「はーい。」
こぎみよい返事を残してジェシカは厨房に消えていった。
「魔物のくせに我が儘な奴だな。」
「あなた!!、いい加減にしなさい。」
「はい、済みません。」
「シロちゃんはグルメなのよねぇー」
奥方に叱られてうなだれている辺境伯・・・・この辺の事情は異世界でもあまり変わりは無い様だ・・・
だが、俺は叱られる事さえ無くなってしまっている・・・ふぅ・・・
食事は私語も無く静かに淡々と進んでいく・・・貴族って言うのは食べながら会話はしないんだなぁ・・・まあ、元の世界でも喋るのはデザートが出てからって言うし・・・俺は食べながら会話を楽しむ方が好きだなぁ・・・
食事が終わってアメリアの部屋へ戻ってきていた。
ベッドの上でくつろぎながら今後の事を話し合った。
今回は急な召喚なので取り敢えず明日の朝には送還して貰う事にして、次回は6日後の21時に召喚してもらうことにした、時間を正確にするために俺の腕時計を渡して読み方を教えておいたので大丈夫なはずだ・・・多分・・・ちょっと心配だが・・・
アメリアとしては徐々に召喚の回数を増やして行きたいそうなので、成り行き次第では会社の事も考えないといけなくなるかも知れない・・・
2ヶ月ほど先に王都への献上品の護衛があるらしい、王都までは12日ほど掛かるらしいので、その間何度か召喚を繰り返して付いてきて欲しいという事だった。
それまでは領内の街道に魔物や盗賊が出る場所があるので連携などの訓練も兼ねて見回りをしようと言う事になった。
街道に出てくる魔物はスライムやゴブリンと言った物が主流で強い魔物はまず、出てこないらしい・・・
ゴブリンの強さを聞いてみると、村の者でもちょっと腕自慢なら1体のゴブリン相手にまず、負ける事は有りません、複数が相手となると不味いらしい、辺境伯の騎士の場合だとゴブリン相手に3体~5体と人によっては違いはある物のまず、大丈夫らしい。
そういう訳で5人も護衛を受けていればまず、大丈夫との事だった。
領内では盗賊は殆ど心配は無いという話だった。希に出る事も有るがここ数年、盗賊から被害を受けた事は無いらしい・・・
「主、一応大事な話がある」
「これは主が本契約に値する相手と思うから今、話すが・・・」
「今は主と俺は召喚の契約を結んでる訳だが、実は正式では無い、言って見れば仮契約みたいな物で解除も出来るが本契約を結べば解除は出来なく成るがどうするか?、別にどちらでも構わないが?」
「仮と本契約ではどう違うの?」
「仮では主も命令に強制権はない、俺は拒否出来る権利がある、召喚に対しても同様だ、自分の都合を優先出来る。召喚に応じるも応じないも俺の判断一つだ。、本契約だと俺に拒否権は無くなるし主の不利益、逆らう事が出来なく成る。」
仮契約から1週間経つと仮契約は自動で解除されるので召喚者は新たに召喚を行う事が可能になる。
「主は知らなかったかも知れないが、通常の召喚獣の契約には仮も本契約も無い、行き成り契約が本契約となる。仮契約があるのは神獣相当以上の召喚獣が相手の場合のみだから・・・」
本来の目的は、力が巨大な為、悪用する様な者に対しては神獣は自らの意思で召喚者を見極めて不味いと判断したら契約解除出来る様にするためだ。
本契約した場合、契約事項を破ると召喚者には壮絶な死が訪れる。
今、決めても良いし、今度、召喚した時でもギリ間に合うと思う
どうする?
「うーん、そうねぇ・・・」
(今度、召喚に万が一失敗したらもう、二度とフェンリルは手に入らないわ、それに私のパターンから行けばこの次は多分カスね。)
「良いわ、今、本契約してくれる」
「では、確認しておく、契約の条件は日当500ルドと言ったがそれで間違いないか?」
「ちょっと心配だから500ルドは努力値にしてくれないかしら・・・実はうち、結構貧乏なのよ。お願い」
「はぁ、時給以下でさらに値切るのかよ、普通あり得ないぞ!」
「そう言えば、アメリアは召喚の時に言ったよな、沢山可愛がってくれると・・じゃ、それを具体的にしてお風呂は何時も一緒に入って綺麗に洗ってくれるって言うのはどうだ」
「俺、きれい好きだから・・・」
「それぐらいならこっちからお願いしたいぐらいだわ、じゃ、これで本当に契約成立ね。」
「あぁ、構わないが主は本当に理解しているか?、契約事項を破ると死が訪れる事を・・・人が神獣を従えるって事はそれだけのリスクがあるのをご存じか、その上で言ってるのであれば俺としては問題ないが・・・」
「わ、分かっているわ。でも、
「ふぅ、仕方ないなぁ、いいよそれで・・・報酬に関しては500ルドを出来るだけ払える様に努力するという事でいいな?」
「ええ、それで問題は無いわ、そう、お風呂だけど、たまたま時間が合わなかったり、忙しかったりって場合はどうなるの、流石にそれでは死にたくないわ」
「それは大丈夫だ、故意に破るって言うのが発動条件になる、故意との判断基準は、面倒くさいからというのも条件に入る。」
「病気なんかは当然、入らない・・・
そうじゃないと、風呂入って余計に酷くなってそっちで死んだら洒落にならんからな。」
「では、本契約するぞ!!」
すると部屋の中心が光り出して魔方陣が現れて、二つになりそれぞれの胸に吸い込まれていった。
これで本契約が完了したのね。
「主、再三だが気を付けて欲しい、契約事項を破ると死が訪れる事を忘れないで欲しい」
「分かったわ」
「本契約も済んだしそろそろ寝ましょうか?」
「あぁ、主・・・」
「なに?、どうかしたの?」
「主は神獣クラスと最安値で契約した召喚者として歴史に名を残すとおもうぞ!」
「そんな、不名誉、要らないわ」
俺はアメリアと一緒に寝たのだが、俺は正面を向いて寝たかった。決して顔を胸に埋めたいなんて思った訳では無い、あくまでも護衛として即行動に移れる体勢で寝たかったのだが、アメリアはこっちが密着が高いからと横向きで後ろから抱かれて寝た・・・
これでは緊急時に直ぐに飛び出せないと思ったが、頭に当たる感触はこれまた心地よく適度に柔らかさと弾力を持って至福だったので良しとした。
アメリアが寝息を立てだして1時間が経っただろうか・・・
俺は脱衣所に人の気配を感じた・・・
賊かも知れない・・・使命感に燃えた俺はアメリアを起こさない様にベッドを抜け出し脱衣所へと走った。
その時、頭の中に声が聞こえた・・・
「スキル、気配察知を取得しました。」
構わずに走る。
(気配察知ってなんだ?、既にスキルを取得する前から脱衣所に何かいる気配は既に感じていた・・気配察知を使ってみるか・・)
『気配察知』、ん、脳内のイメージがより明確になった。脱衣所にいるのはジェシカとエミリーだ・・・危険だ、無防備の姿の彼女らが襲われたらひとたまりも無いだろう、乙女の危機に俺はさらに速力を上げた。
彼女らの他に誰の気配も無いのには久志は気づかなかった、いや、きづきたくなかっただ・・ただ、彼女らを護りたいという一心の思いがそう言う行動を取らせたと言える。決して覗きたいとかスケベな気持ちは微塵も無かった。多分・・・???
脱衣所のドアを開けようとすると鍵が掛かっていた・・・
おれは脱衣所のドアを叩きながら叫ぶ・・・・
「シロです、大丈夫ですか?」
中から鍵が開き、タオルで前を隠したジェシカが顔を覗かせた。
「あら、シロちゃん、心配してきてくれたの?、」
「一緒に入りましょ。」
ジェシカはドアを締めるとタオルを置き、一糸まとわぬ姿を惜しげも無く俺の前にさらした・・・
息を飲み込む・・・・思わず、声が出てしまった。
「き、綺麗だ・・・俺は現世に女神を見てしまった。」
ジェシカは細くくびれたウエスト、胸は爆乳だった・・・大きさだけで無く色も形も最高だった。
もう、だめだ・・・立っていられない・・・
「きゃっ、シロちゃんたらもう、上手なんだから・・・もう、そんな事言って、他のフェンリルを口説きまくってるんじゃ無いの?」
「もしかしてシロちゃんてプレーボーイだったりするのかなぁ・・・」
何故かエミリーがうっとりした目で俺を見つめていたのがちょっとだけ気になった。
ジェシカに抱かれて、いや、爆乳に挟まれて浴場へと連れて行かれた・・・
浴槽では俺は真ん中のポジションで前を向いても後ろを向いても至福の境地だった、極楽極楽・・・
言い忘れたけどあくまでも身を張った警備の一環だ・・・
エミリーも十分に育っている、現状でさえアメリアと互角だろう・・・今後が楽しみだ・・・この胸が誰かの物になるかと思うと嫉妬さえ芽生えてくる・・・
うーっ、いかん、いかん、このままでは何時の日かロリコンになってしまう。
俺は小一時間の間、至福の極みを味わっていた。
(女神様、おれ、もう、一生フェンリル続けます、有り難う)
朝目を覚ますとアメリアの前ははだけていた・・・
こちらではトップの下着は着けない様だ・・・眼福、眼福・・・
ってのんびりしていられないので・・・アメリアを起こす。
「折角、寝てるところを悪いんだけどさぁ、送還してくれないかなぁ・・」
俺はまだ、精算書を仕上げていない、早いとこ戻って精算しないと面倒な事になってしまう。
アメリアはまだ目が覚めてない様で多少もぼけつつ・・・召喚の義を始めようとした。
「おいおい、召喚じゃ無くて送還だよ。、しっかりしてくれ・・・」
俺はアメリカの両肩に手を置き前後に揺さぶった。.
こんな時にちゃんとした指がないのはとても不便だ・・・
ともかく凄い格好のままで送還してくれた。
俺の体が光と供に薄くなって少しずつ消えていく・・・
今までの日常が見えてきた・・・
♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪
2018/09/02:誤字&脱字を修正しました。
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